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きみのとなり  作者: Ruco
6/50

6,別れた理由

何言ってるの?司…。


司が…まだ私のこと好き…?

嘘だ。それならどうして「別れよう」なんて言ったの?

分からないよ…。


「何で…?司から『別れよう』って言ったじゃん…」


「ごめん…あの時は言うのためらったんだけど……今話しても良い…?」


私は黙って頷いた。

近くに麻衣ちゃんと小鳥遊がいたけど、気にしている余裕なんて無かった。


「…海真のバド部は恋愛禁止なんだ」


そう言って視線を落とす司。


え……恋愛禁止…?

それで…『別れよう』って言ったの?


「……それが理由?」


「うん…ごめん。入部するまでは付き合ってようと思ってたけど…合格したって分かった時に、けじめをつけようと思って…」


じゃあ司は…中学生の時から海真のバド部が恋愛禁止って知ってたの?

そんなこと一言も言ってくれなかった。


「…私より…海真でバドする方が大事だった?」


「……雅…」


どうして恋愛禁止だって言ってくれなかったの…。言ってくれれば…『引退するまで待ってる』って約束したのに…


「言ってくれれば…司が引退するまで待ってたのに……」


「ごめん…雅を縛り付けるようなことしたく無かった」


「じゃあ私が他の人と付き合っても良かったの!?」


吐き出すように出てきた言葉。

絶対泣かないつもりだったのに、涙が流れてきた。


「…雅よりバドを取ったから…『待ってて』なんて偉そうなこと言えないし…雅が他の男と付き合うって覚悟した上でバド部に入ったから…」


初めて知った司の気持ち…。

ここまで言われたら、もう私は何も言うことができない。


「……もういい。私はもう司のこと…ただの同級生としか見てないから」


視線を司からそらすと、司は「分かった」とだけ言って戻って行った。


「雅ちゃん…」


麻衣ちゃんが駆け寄ってきた。

そっか…全部見られちゃったんだ。


麻衣ちゃんの優しい表情を見て、さらに涙が溢れてきた。


悔しくて、悲しくて、腹立たしくて。


司にとって私は何だったの…?

何のために私と付き合ったの…?


「麻衣ちゃん…やっと、けじめをつけられそう…もうきっぱり司のこと忘れるから」


「うん、雅ちゃんなら大丈夫だよ」


麻衣ちゃんは優しく抱きしめてくれた。


もう司のことで泣くのは今日が最後。

明日から、また頑張ろう。



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