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きみのとなり  作者: Ruco
5/50

5,高総体

こんにちは(^o^)


今回は雅の元カレが登場します!

6月初め



今日は高総体だ。

3年生の先輩方にとっては最後の大会になるかもしれないため、いつもよりピリピリしている。


個人戦ではベスト4に入ることができなかったので今日の団体戦に全てをかけている。

私たちの学校は去年ベスト8入りを果たしたらしいが、団体で地方大会へ進むには3位以上にならなければいけない。


団体戦は部長がクジを引いてトーナメントがつくられるが、シードを持っている4つの私立・強豪公立高校が毎年ベスト4に入っている。


正直なところ、今年の部長はクジ運が悪い。

2回戦目で第2シードとあたるなんて…。

いや、もしかしたら相手が棄権するってこともあり得る。諦めちゃダメ。


「雅、試合始まるまでまだ少し時間あるから男子の応援行こ」


日南子(ひなこ)に誘われて男バドの応援に回った。


「男子って1回戦どことあたるのー?」


海真(かいしん)高校」


うわ、男バドの部長もクジ運悪いなあ…。海真って言ったら毎年ベスト8入ってるし、去年は初のベスト4入りしたし、それに…


司がいる。


そーいえば言ってたな、司。海真でバドをしたいって。

今日、来てるのかな。来てないわけ無いよね…(笑)


応援席からコートを見下ろすと、もう試合が始まっていた。


司…どこで応援してるんだろう。


キョロキョロと周りを見渡すが、司らしき人は見当たらない。


トントン、と肩をつつかれて振り向くと小鳥遊だった。


「おい藤崎、あれ…」


小鳥遊は相手のベンチを指差した。

指先をたどっていくと、そこには司の姿が見えた。


「う…そ、司…1年で団体メンバー入り!?」


「オレもびっくりした。海真にいると思わなかったし、しかもメンバー入りしてるとか…」


「雅ちゃん……」


麻衣ちゃんも気づいて口をパクパクさせている。

どうしよう…私すごい動揺してる。

もう司が、私の知ってる司ではないような気がした。




試合が終わり、結局男子は0ー3のストレート負けで1回戦敗退、女子も1回戦は3ー1で勝ったものの、2回戦で第2シードにストレート負け。

落ち込む先輩方に何て声をかければいいのかも分からず、応援席からまだ続いている試合を眺めた。


…海真が3回戦に進んでる。

この試合に勝てばベスト8だ。第3シードの私立高校に2ー1で勝っていたが、第2シングルの試合が終わった時点で2ー2になってしまった。


最後の第3シングルに誰が出るのかを慎重に決めている様子だが、コートに立ったのは司だった。


「えっ…司が第3シングル!?」


私が驚いたの聞いて小鳥遊と麻衣ちゃんも試合を見始めた。


「すげ…第3シングルかよ」


私たちの近くの応援席にいる海真の女子生徒たちが騒ぎ出した。

やっぱり高校生になっても人気あるんだなあ…。

試合が始まる直前、司と目が合った。気のせいだと思ったが、司が笑って口を動かした。きっと声は出してなかったと思うけど、口の動きは「大丈夫」と言っていた。中学生のとき、よく司が試合前に私に言っていた言葉。


「…今、雅ちゃんの方向いて何か言ったよね?」


「うん。『大丈夫』って言ってた…」


司の言葉通り、競り合うこともなく試合が終わり、3ー2で海真が準々決勝へと進んだ。

すごいなあ、司…。どんどん上手くなってる。私は自分の席に戻った。


「雅」


「え…?」


試合を終えて戻ってきた司が私の所へ来た。

別れてからほとんど接触が無かったからすごく緊張する。


「あ…お疲れさま、すごいね…1年生で試合出ちゃうなんて」


いつも通りに話してるつもりだけど大丈夫かな…。


「まあ、海真でバドやりたくて入った訳だし……髪、切っちゃったんだ」


司が私の髪を見て言った。

…髪のことは聞かないで欲しいな…まさか司への未練無くすために切ったなんて言えないし…。


「うん…気分転換…かな…?」


「ふーん…オレは長い方が好きだったけどなあ」


そんなこと聞きたくない。

やっぱり、好きだったのは長い髪だけ…


「……好きだったのは…私の髪だけ?私のことは好きじゃなかったの?」


どうしても聞いておきたかった。

本当のことを聞くのは怖いけど、知りたいんだ。


司の顔が一瞬強ばる。

私は涙目になって司を見つめた。

ゆっくりと司の口が動く。



「雅…オレはまだ雅のこと好きだよ」



次回もお楽しみに!

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