4,ダブルス
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5月中旬
今年の女子バドミントン部は1年生8人(うちマネージャー1人)が加わって26人となった。
6月には高総体、8月には1年生大会があるが、7月下旬に「東山大会」というダブルスのみの大会がある。
中学生の部、高校生の部、一般の部、シニアの部があり、それぞれ男子・女子に分かれて行う。中学生の時は2年生の時だけ出ていたが、この高校は強制的に1年生も出なければいけないらしい。
大会に出られるのは嬉しかったが、私にとってとんでもないことになった。
「ペアは先生が練習の様子を見て決めたそうです。では女子から発表します」
部長が先生から渡された紙を見ながら名前を呼んでいく。
「柏・伊藤、西原・高橋、小野・鈴木」
…あれ?私呼ばれてない…
1年生は7人だから1人余っちゃうのか。
2年生は8人で偶数だし…。
え、じゃあ私が余り!?
「ぶ、部長!私は…」
周りにいる同級生も不思議がっていた。まさか私だけ出れないとか!?
「ああ、藤崎ちゃんは後で登場するよ(笑)」
部長が笑いながら答える。そして2年生のペアの発表を始めた。部長の笑顔は裏がありそうで怖い。
それより後で登場ってなんだろう…。
その時、女バドの隣で同じようにペアを発表されている男バドから歓声が聞こえた。
その歓声を聞いて部長がニヤリと笑い、男バドと合流した。
女バドの部長が代表して前に出る。
「皆さんご存じの通り男子も女子も2年生は偶数、1年生は奇数です。これでは1人ずつ余ってしまいますよね、先生も悩んでいました」
その余りが私ってわけね。そーいえば男子も1年は7人って言ってたなあ。
「そこで先生は考えました。男子の余りと女子の余りを組ませちゃおう!と」
「えーっ」と驚く女バドと「おぉーっ」と歓声のあがる男バド。
そして呆然と部長を見つめる私。
「てことで、男バドはもう聞いたと思いますが、小鳥遊くんと藤崎ちゃんが混合ダブルスとして出ることになりましたあ!」
え?何?ペアが小鳥遊って…
混合ダブルスってありなの?
「部長…混合ダブルスってあるんですか?」
「あ、高校生と一般の部は混合もあるんだよー」
だからって何も私を余らせること無いじゃん、先生…。
「『小鳥遊くんも藤崎ちゃんも元シングルだったから動けるだろう、上手いし』とのことです(笑)」
ああもう、先輩も同級生も笑ってるよ。
ところで小鳥遊は…
「頑張ります(笑)」
うわ、こいつまで笑ってるし…
「じゃあ高総体の練習も踏まえて、早速やってみよう」
男バドの部長の一言でゲームが始められる。
女子も男子もそれぞれ動きの確認をしている。…いいなあ、普通のダブルス。他のペアを羨ましそうに見ていると、小鳥遊にTシャツの袖を引っ張られた。
「おい、オレらもやるぞ」
「え…男子と?女子と?」
「1年の女子が1組余ってるから、そのペアと」
しぶしぶ小鳥遊について行ってコートに入る。一応何回かはやったことあるけど慣れないんだよなあ、ダブルスの動きって。
「ダブルスやったことあるけど自信ない、とりあえずフォーメーションだけ気を付けよう」
小鳥遊もあんまりダブルスやったこと無いんだ。
ダブルスは基本、攻撃の時は前後に分かれて守備の時は横になるってことは知ってるけど…小鳥遊は左利きだからなあ、真ん中に打たれたらどうしよう。
「…真ん中に来たらどうする?」
「オレが取る」
「シングルだったからって1人で動き回らないでね」
「お前こそ」
あー、ムカつく。何で小鳥遊と…。
相手の柏・伊藤ペアには「小鳥遊くんとペアとか良いなあ」って言われたけど、どこが良いのかさっぱり分からない。
そうこうしている間にゲームが始まった。
私が拾える球は出来るだけ取れるように心がける。
小鳥遊はというと、コースのギリギリにスマッシュを何本も決めている。
私が拾って、甘く上がったのを小鳥遊のスマッシュで決めるという形が多かった。
あれ、何か動きやすいかも。
もしかして、小鳥遊がリードしてくれてるの…?
その後も声を掛け合いながら私たちは点数と取り、21ー9で勝った。
「ほとんど拾ってくれてサンキュ、お前のおかげで動けた」
「いや、小鳥遊のおかげでしょ」
その後1年の男子ペアともゲームをして、さっきよりも動けるようになった気がする。
小鳥遊とのダブルスもけっこう楽しいかもしれない…。