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ヴェルヴェット・ギャラクシィ・ブランケット/甘い口どけ髪は紅  作者: 枕木悠
第三章 恥ずかしがり屋のガールズ・オンリィ
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第323回 アンジィ・トラベリング・ラジオ

♪アンジィ・トラベリング・ラジオ、第三二三回♪


「……はいー、お聞きいただいたのは、ベストアルバムから、ユーフォシック・ラバァ、でしたぁ、はいー、やっぱりベストアルバムの中に新曲が入っているっていうのはいいことですよねぇ、でも好きなアーティストには新曲なんて入れて欲しくはないですねぇ、入れるなら七曲目ぐらいですねぇ、ユーフォシックは七曲目ですねぇ、実は新曲でもなくてただの未発表音源だったりするんですけどねぇ、私ね、実はUFO見たことあるんですよ、むふふふ、あ、ちょ、信じてないっしょ? 近所の公園だよ、ブランコとシーソとピンクの滑り台とグリーンのジャングルジムのある公園、砂場もあったな、よく作ってたよ、ダム、幼なじみのハジメちゃんと一緒に、ああ、ダムは関係ないよ、ダムは、UFOの話だよ、毎日夕方の五時くらいになるとね、東の空に光っているものがあるの、光っている円盤が見えるんだよね、ハジメちゃんは喜ぶんだよね、めっちゃ喜ぶ、私はね、最初、うわぁって喜んだんだけど、毎日見ているうちに飛行機か何かだって気付くんだよね、こいつあ、未確認じゃねぇって、いや、正体とか、そう見える理由はハッキリ分かんないんだけど、なんとなく分かったんだよね、でも、ハジメちゃんは無垢に信じているし、私も、今もだけど、そういうの大好きだから、オカルト、信じたかったんだよね、ハジメちゃんとの時間も大事だったなぁ、ロマンチックだったなぁ、二人で、夕日の中よ、手を繋いで見てるわけ、上海の夜景よりずっと素敵よ、お金で換算したら二百万ドルくらいね、ユーロだと、いくらかな、ねぇ、今、レートどうなの? 違うか、そうね、そんなことじゃないね、私が話したかったのは、あ、今私は日本海の上を飛んでいるんだけれど、そう、先週は北極で熊の肉を食べた、おいしかった、お金で換算したら三十ドルくらいね、それよりも雪の似合う可愛いシベリアンに会えたのが幸運だったね、今度池袋で会うの、素敵でしょ? ああ、そうよ、日本海での話よ、日本海での荒波での話、歌を歌いながら私は飛んでいたの、樺太からずっと晴天だった、カモメも優雅に飛んでいた、でも、いつの間にか、空は暗い雲に覆われていて、パニックキネマの空みたいに暗かった、ふと雲を見たの、ああ、UFOだっ、って思った、昔、ハジメちゃんと見たUFOだって思ったの、それが雲の中で光っている、私は雲に近づいて確かめようとしたんだ、きっと届かないけれど、そっちの方に飛んでいったんだよね、近づくと雲の形が鮮明に見えてきた、それは夏の空の積乱雲見たいだった、灰色のソフトクリームだった、その中でUFOが光っている、何、何、何? 私は興奮していたの、お恥ずかしい、でも誰も見ていないから、私は高校生見たいに無邪気に笑顔だったよ、それでね、見えたの、雲の中から飛び出した光……、(ノイズ)……きっと生まれたばかりね、まだ小さかった、まだこの近くにいるのかも、誰かを探しているのかも、ああ、ごめんね、ここまでみたい、海上自衛隊の魔女が私を怖い目で睨んでいる、それじゃあ、この曲でお別れしましょう、アタムスフィア・カジノ、ソフトクリームは大気圏に散ったよ」



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