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第二話 青天の霹靂(ローズベリー男爵視点)


※※※


「なんだと⁈フィリスが精霊ともう契約をしたというのか?」

「はい旦那様」


 フィリスにつかせているメイドからの報告に驚きを隠せない。まだ精霊との契約のやり方は教えていなかったはずのフィリスが、つい先程精霊と契約を交わしていたというのだ。教わっていないのに一体どうやって契約をしたというのだろう?


「そうか!フィリスは一体なんの精霊と契約をしたんだ?」

「そのことなのですが……」


 言いづらそうに言葉を濁すメイド。


「なんだ?そんなにまずい精霊と契約してしまったのか?」

「いえ……その……」


 歯切れの悪いメイドに痺れを切らし問いただすと、ぽつりぽつりと精霊と契約をした時の様子を話し出した。


 メイドが言うところによると、バラのアーチの下でいつも通りバラの香りを楽しんでいたフィリスの様子を、少し離れたところで見守っていたという。


 すると突然宙に向かって話し始めたかと思うと右を見たり左を見たり後ろを振り返ったりと落ち着きがない様子になったらしい。


 そしてまた誰かと会話をしているそぶりを見せたかと思うと誰もいない空間に向かってカーテシーをし、名前を呼んで精霊契約の言葉を口にしたという。


「おお!まさしく精霊契約のやり方ではないか!それで、それのどこが問題なのだ?」

「はい、フィリスさまがお呼びになっていた名前なのですが、距離があったため正確に聞き取れてはおりませんが、複数人の名前が聞こえたのです」

「なっ複数人?」


 精霊契約は1人に対して1人の精霊が大原則だ。例外はひとつだけ。精霊王の愛し子だ。まさか……もうかれこれ200年以上は現れていない精霊王の愛し子にフィリスが選ばれたのではないか?


 逸る期待に心臓が酷く脈打つ。


 もしそれが事実ならば大変なことになるぞ。我がローズベリー男爵家から精霊王の愛し子が出るとは!!こうしてはいられない。すぐに事実を確かめなければ!!


 急いで執務室を後にした私は、まだ庭園を散歩しているというフィリスの元に向かった。



※※※

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