ころんだ さっちゃん
さっちゃんは、歩くのがはやい。
「公園に行こう」
って玄関をあけたら とっとこと〜 ととびだしていく。
「あぶない あぶない」
ばあちゃんが、あわてて手をつなぐけど、さっちゃんはばあちゃんの手をひっぱって、ずんずん歩く。
「さっちゃん 待って」
ばあちゃんがストップかけたら、怒ったさっちゃん ごろんと道の真ん中でねころんだ。
「ころんじゃだめよ」
ばあちゃんが言っても、知らんぷり。
ころんださっちゃん 起きないよ。
抱っこしようとがんばるばあちゃんと、ころんだまま起きないさっちゃんとの根比べ。
ばあちゃんは、おとなりのおうちの梅の花が咲いてるのに気がついた。
「あっ、さっちゃんみてごらん。かわいいお花が咲いてるよ」
さっちゃん、抱っこされてお花をみたよ。
「かわいいね〜」
さっちゃん、にこにこごきげんになり、ばあちゃんとお手々をつないで歩いたよ。
梅の花が、ぽぽぽぽと笑っているみたいに風にゆれてる。