未来からのメッセージ・絶滅収容所~歴史は繰り返される
この話はフィクションです。
しかし、歴史は繰り返されると考えると、他人事とはいえないでしょう・・・・・・。
絶滅収容所・・・・・・。
この収容所がつくられた背景は、動物族が人間と同様に権利と力をもってからだ。
これは、国際的な会議で、動物族の地位、権利を認めることが世界的に容認されたからだ。
この会議の名前から「世界動物宣言」と呼ばれている。
これによって、人間族と動物族は友好的な関係であったが・・・・・・。
長年の人間族への怒りは消えわけではなかった。
動物虐待・・・・・・。
売買、殺害・・・・・・。
動物族の優位性と人間族への復讐をかかげて立ち上がった集団。
その名は、ザ・バード・・・・・・。
彼らは、過去に人間族がした同じ愚かな行為を行った。
人間族を捕まえて、虐待、人間族動物園・・・・・・。
人間族奴隷、殺害・・・・・・。
人間族がやってきた歴史をザ・バードは繰り返した。
繰り返した・・・・・・。
さて、ここで注意したい点は、動物族すべてが人間族を敵とみなしていたわけではないことだ。
大昔から人間族と友好的で知られているイヌは、人間族とのほどよい関係を保ちつつ、常に中立の立場となった。
一方、人間族から住む場所を奪われた動物族の大半は、人間族を敵をみなすようになる。
その中でも、鳥類が他の種族よりも地位が高かった理由は、世界中どこへも移動できる飛行能力、集団をまとめる能力がきっかけであった。
逆に、人間族と同等の地位が保障されたにもかかわらず、下等な扱いを受ける種族もいた。
さて、ここで気になるのは、動物のほとんどが野生に属していて、どうやって人間族を支配していったかである。
実は、人間族の動物実験の黒い歴史があった。
人間族がクローン技術で、動物を複製できることが可能になってから、100年後・・・・・・。
ヨーロッパ科学団体が、ある動物実験を行った。
彼らが試みたのは、動物属を人間族と同等の言語能力、知性を有させることだった。
悪くいうと、動物族を人間族の支配下において、都合のいいように奴隷にしようという計画であった。
この実験では、手術によって動物族の実験体が、簡単な言葉、作業ができる結果が得られた。
そして・・・・・・。
今では、人間族を超える力を有したのだった。
しかし、人間族が築き上げた社会に溶け込むためには、相当な時間を有した。
はじめて、動物族が労働の場に投入されたのが、戦場の場であった。
基地間の伝令係、前線兵士・・・・・・。
現在では、人間族によって起こされた戦争の心理的ストレスが、動物族を暴徒化させたのではないかと言われている。
それ以来、従順であった動物族の一部は、犯罪に手を染める者もいた。
動物族が人間族を支配するために、軍事訓練などを援助したのは、アンメリン合衆国の秘密警察。
秘密警察、国際情報局の長官であったエドナーが指揮した。
これは、国には極秘で行われ、後で開かれたアンメリン合衆国公聴会で、関係者の証言で明らかとなった。
この公聴会でエドナーは・・・・・・。
「アンメリン合衆国公聴会で証言するエドナー」
委員長:
これだけの人間族や動物族が大量に死んで、責任を感じないのですか?
エドナー:
すべては、後の国益になるとなった。
私は何一つ間違ったことは行っていない、胸を張っていえる。
こんな馬鹿げた赤が考えたような茶番劇はやめたほうがいい。
長官エドナーが、主張した国益は負の国益として、永遠にアンメリン合衆国の黒歴史と語り継がれることとなった。
そして、動物族と人間族との対立、差別が長年、続いていることとなる。
「未来からのメッセージ・絶滅収容所~歴史は繰り返される」
語り:
大熊しげる(動物族)(旧大自然出身者)
参考資料:
太陽王国:
『大自然出身者のたたかい(2100年)(大熊書籍)』
『世界動物宣言とその後(2105年)(タイト出版)』
『差別の歴史(2105年)(エレ研出版・太陽王国支部)』
アンメリン合衆国:
『動物族の繁栄と滅亡(2123年)(エレ研出版・本部)』
ダッシュ連邦共和国:
『写真でみる絶滅収容所(2145年)(エーリカ書店)』
『ザ・バードの暴走(2145年)(エーリカ書店)』
編集:
大熊書籍(大熊しげる、猫田螢雪)
太陽王国放送協会
終わり。