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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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四告目  滝村涼香 1

 ある朝、その高校は異様な雰囲気に包まれていた。校庭の真ん中に大きく落書きがされていたためだ。ライン引きで書かれた文字は屋上から見えるほど大きく、それは片仮名で「シニコク」と読めた。

 教師や事務員のほか朝練の運動部の生徒が駆り出され、落書きを消すため砂を撒いたりレーキやスコップを手に奔走していた。そのあいだ、他の生徒たちはスマホを手に動画や写真を撮ってネットに拡散した。


 そしてそれを皮切りに、いくつかの学校で同様のいたずら騒ぎが起こる。校庭や校舎への落書きにはじまり、体育館に縄跳びの縄で作られた数字、カレンダーや時間割などの数字を使ったものまでさまざまな方法でいたずらは広がっていった。



 騒ぎは樋ノ杜高校でも起きた。朝に全クラスの黒板に大きく「4259」と4桁の数字が書かれていたのだ。3年1組の教室も同様だったが、皆が写真を撮る中で滝村涼香(たきむらすずか)は日直の石川義彦にそれを消すように指示した。

「消すわよ。文句ある人、いないわよね?」

 カーストトップの滝村涼香の言葉に逆らう人間はいなかった。彼女はその美貌に加え、成績優秀でバスケ部のキャプテン、そして地元の名士で県会議員の父を持つというプロフィールの持ち主だった。


 消されていくその数字を見ながら、滝村涼香は先月転校していった柊修二のことを思い出していた。

 柊修二が転校する前日、滝村涼香は呼び出され告白されたのだが、去り際に柊修二が口にした言葉がシニコクだった。


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