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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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二百四十五告目  悪は裁かず 28

 宿泊施設の中の談話室で信岡玄は新当桂馬と新当絵馬に会った。

 攫われてきた2人は椅子に座らされ後ろ手に手錠をかけられている。低いテーブルを挟んで信岡玄が向かい側に座っていて、その脇に君成歩三男が立っている。


 信岡玄は新当桂馬に自分が知ったことを話した。新当桂馬が信岡聖と別れた裏に多門真夕貴の存在があったこと、信じた噂が彼女の悪意によるでっち上げでシニコクの呪いを受けたあと信岡聖がどんなふうに過ごしたのかを。

「そんな……じゃあ僕がしたことは……彼女になんて詫びれば」

「わ、わたしは謝らないわよ! 知らなかったんだもの。どうせ疑われるようなことをしたから……ひっ!」

 なおも自己弁護を繰り広げようとする新当絵馬に君成歩三男が銃を向ける。それを制して信岡玄が話を続ける。

「新当桂馬、俺はお前に謝ってもらうつもりはない。そんなことでお前のしたことが消せるわけじゃないからな」

 信岡玄の目にはかつて新当桂馬に見せていた親愛の情はない。それを見せつけられれば彼も口を閉じるしかない。

「ただお前が聖の心を占いなんていうあやふやなもので量ろうとしたこと、そのことだけは許せねえ。大体不公平だと思わないか? 聖は試すくせに何で自分のことは占わなかったんだ?」

「えっ?」

「だから俺は考えたんだよ。お前が聖と平等イーブンな関係になるにはどうすればいいのかをな。それでこそ天秤が釣り合うってもんだろう?

 ……つまりだ、俺がお前をシニコクで試す、それでこそ平等イーブンだと思わないか?」


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