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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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十五告目  鎌田久留美 1

 鎌田久留美は佐島鷹翔を追いかけて樋ノ杜高校に来た。佐島鷹翔は中学時代もエースで活躍して女子の取り巻きも多かった。鎌田久留美には幼なじみというアドバンテージがあったが、平均的な容姿で奥手な性格の彼女はそれを生かせず、それでも佐島鷹翔のそばにいたい気持ちは捨てられなかった。


 鎌田久留美は高校に来ても佐島鷹翔に面と向かって話すことができずにいたが、彼が滝村涼香のグループと仲良くなるのを見て、自分もそこに居れば話す機会が増えると考えグループに加えてもらった。グループ内ではパシリの扱いだったがそれでも佐島鷹翔のそばにいられると思えば苦にならなかった。


 そしてクリスマスの二日前、鎌田久留美は佐島鷹翔に放課後呼び出された。

「佐島くん、あの……話って?」

「その……ありがとうな、久留美。ずっと俺を見ててくれたんだろ?」

「あ……う、うん」

「待たせて悪かったな。俺とつきあってくれよ。いいだろ?」

「えっ?」

「涼香ん家のクリスマスパーティに呼ばれてるけど、俺行かないでお前と一緒にいるわ。駅前交差点の時計前に5時、待っててくれるか?」

「ほ、本当に?」

「ああ、必ず行くから」

 そう言って佐島鷹翔は鎌田久留美の顎に手を添えた。そのまま顔を近づけていく。

「怖かったら目つぶっとけよ」

 鎌田久留美は佐島鷹翔の言葉に素直に従った。


 しかし次に鎌田久留美が彼から受けとったのはキスではなく嘲笑だった。

「お前……震えてんのかよ? くっ、ははっ! もう駄目だ、勘弁してくれ!」


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