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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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十二告目  投稿動画 3

「……シニコクシニコク言葉を返す(※音声削除)の怨み思い知れ、シニコクシニコク邪心を返す(※音声削除)は奈落に沈め、シニコクシニコク言葉を返す(※音声削除)の怨み思い知れ、シニコクシニコク邪心を返す(※音声削除)は奈落に沈め、シニコクシニコク……」

 呪詛の言葉ははじめはよく聞き取れなかったが、次第に大きくなっていった。

 そのまま呪文を唱えながら少年は右手で出刃を逆手に握り、バットの上に持って行くと左手で刃の部分を包むように握った。そのまま右手をゆっくり滑らせる。左手の指の間から血が滴り、バットにこぼれ落ちていく。


「うわ……本当にやっちゃったよ」

 後藤柚姫は顔をしかめる。滝村涼香はそれを見てもどうせトリックだとたかをくくっていた。

(くだらない、あいつにそんな度胸あるわけないじゃない)


 しかし次に少年は後藤柚姫や滝村涼香の予想を超えた行動に出る。

 テーブルに包丁を突き立てて固定すると、覆い被さるように倒れこんだのだ。


「うわっ、何してんの!」

「えっ? ……そんな嘘でしょ?」


 刃はおそらく少年の心臓を貫いている。口から溢れた血は仮面に遮られ目や鼻や口の開いた穴、顎の下からどんどん流れ出す。バットに貯まっていく血はたちまち一杯になり、次にはテーブルや床を濡らしていく。その間も少年は呪文を唱え続ける。

「……シニコ……シ……コク言葉……思い知……コクシ……奈落に……シ……」

 そして二度三度痙攣し、少年はどっと後ろに倒れた。椅子が吹っ飛び騒がしい音を立てる。少年はなおも立とうとしようとするが、やがて力尽き動かなくなった。


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