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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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十一告目  投稿動画 2

 その動画はまっ暗な部屋の中、ロウソクに火がつけられるところから始まった。四隅のロウソクに火をつけて回るのはまだ10代と思われる少年。薄いグレーのジャージにスニーカー履きだ。

 その場所は使われなくなった倉庫のようだ。殺風景な大空間のしんとした中、スニーカーが床に擦れる音だけが響く。

 明るくなった室内、ビデオカメラの正面中央に長テーブルと折りたたみの椅子が映し出される。テーブルの上にはプラスチックのバット容器、デジタルの卓上時計が置かれている。そして少年がテーブルの向こう側の椅子に腰掛ける。少年の表情をうかがい知ることはできない。その顔は白い仮面で隠されているからだ。


 そして滝村涼香はその仮面に見覚えがあった。あの日柊修二が着けていたのと同じものだ。

(えっ、じゃあこれはやっぱりあいつなの?)


 少年は無言のまま、バットの中から出刃の和包丁を取り出し、見せるようにしてからバットの右脇に置く。次に依り代と呼んでいる呪いの媒体を手に取り左右に回転させる。依り代には数本の針が刺さっていた。

 少年が依り代をバットに戻すと部屋がまた静寂に包まれる。そして時計のデジタルが2時57分になったとき、少年が手に取って時間を目で確認する。そして再び時計を置いた少年がはじめて言葉を発する。シニコクの呪文を。


 4日の深夜2時59分、シニコクの儀式が始まる。


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