転移と転生の本来の作品的なメリットは全く違うはずだった
さて、転生と転移は、本来であれば作品に与えるもしくは主人公の設定に加えるメリットは全く別の物だったと思います。
本来ならば転生は失敗した行動選択をほかの行動選択に変えることで、より良い生き方をできるということにあると思うのですね。
もともと転生はヱヴァンゲリヲンの逆行転生がもとだと思うのですが、そこそこ逆行転生をうまく活かしてる作品もあったと思います。
もっともこれに断罪のための魔改造が加わっておかしくなっていくのですけどね。
そして転生要素について無職転生はうまく活かして作られているなと思いますし、リゼロの死に戻りというのも本来の転生の失敗を成功に変えることができるというメリットを活かした作品であるのだと思います。
「乙女ゲーム転生」で悪役令嬢になってしまった主人公が処刑される展開を回避しようとするのも同様なものに感じます。
それに対して転移は転移することで得ることのできるチートで強力な能力によるそれまで底辺的な扱いだった主人公が一気に成り上がることができる爽快感がメリットだったと思うのですね。
まあこちらは仮に主人公が現地民でも主人公が成人のさいに神から与えられるスキルや職業などで代用が可能なので物語に殆ど影響が無いため、追放ざまあが隆盛を極めた現在では現代日本人が転移する作品的なメリットは現状ではあんまりないのですけどね。
転生したらスライムだった件も実際には現代日本人が転生する意味はあんまりないとも言えますが、神様転生で転生する際に最強の力を与えられることで失敗した選択をもう一度えらんでも大して問題なく力技でどうにでもなるようになったのが神様転生の問題かなと。
そして最近のざまあは無理やり主人公を追放する意味がなく、ざまあのみか主人公無双だけがあればいいのでは? という感じになってきている気もするので、今後は主人公最強無双か、悪役転落ざまあのどっちかに偏った作品が伸びていくようになるのかなという気がします。
異世界転移・転生に関しては隔離されてる限りはもとのように活発になることはない気がしますが、逆行転生は意外と増えるかもしれませんね。