森林
一人の魔族が、狼と村人の戦いを眺めている。
あれが、この村の長か。
中々いい腕をしている。狼達だけでは負けるな。
仕方がないでるか。
「素晴らしい腕をですね~」
「誰た!」
「私はザッコス。魔王軍の狼使いです。」
ザッコスと言う男は狼の毛皮を被り、
顔には血で線を数本引いていた。
「魔王軍だと!」
「驚いてくれてありがとうございます。
では死んで貰いましょうか。隊列!」
狼が隊列を組単体行動出はなく団体行動を始めた。
元より一対の狼の能力はずば抜けており、
それが集団どなったとき、無類の強さとなった。
人間側は一人、また一人と倒れて行った。
「俺が残る!他の連中は村へ戻れ!」
「さすがは村の長です。ではさようなら。」
狼が連続で、プラントに襲いかかる。
3頭位までは全て凌いでいたがそのあと、
波状攻撃に絶えられず、
最後は足を引きちぎられそうになる。
「プラント!!」
数人で、やっとプラントを助けだすことに成功した。
「あがけ、あがけ、ウジ虫ども。わはははは。」
高笑いし、ザッコスはその場を引き上げた。
ウジ虫はどうでる?俺の目的は勇者だ。
ヤツを仕留め幹部へ昇進する。
助けを呼びに勇者の元へ早く行け。
長期戦など考えるな。
ウジ虫を一人一人潰すのは面白くない。
勇者をやったあと皆殺しだ。
「村から一人の女が出ました。」
狼から報告を受ける。
「どっちへ向かう?」
「どうやら、王都のようです。」
「よし!行ったか、仕掛けるなよ。
連絡とっても貰わないと。」
「はっ。」
「あとは、待つとしよう。勇者こい!
狼200頭が相手だ。村から飛び出して
来たアホは食っていいからな。」
「はっ。」
2日後村で動きがあった。
一人の少女が村を出て森に来ていた。
「ウジ虫がいるようだ。食っていいぞ。」
「ウォォォ。」
狼たちは喜びの遠吠えをあげた。
ザッコスは狼達が違和感を感じ始めていた。
ウジ虫を食っている連中の気配が
いきなり無くなったのだ。
連絡がない?なぜだ?
仕方がなく様子を見に行くことにした。
そこでは信じ固い光景が広がっていた。
全滅。刻まれた狼の死体。
ザッコスは悟った。
そうか、勇者が村へ入ったな。
「今晩、攻撃を仕掛ける!抜かるなよ!」
「ウォォォ!ウォォォ!」
遠吠えが木霊する。