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ドイーナ村

何?あの破壊力。一瞬で全滅。

私の使えた『かまいたち』は、かすり傷付ける程度の物。

幼児の時、義弟をイジメたヤツに使ってから恐くなって封印した。

大人になり、力が上がった?感情高ぶってガラス割るし。

何れにせよ、ちょっとコントロールしよう。


横に立つププトの様子を伺う。

驚きのあまり立ちすくんでいた。

巻き添えを貰ったのだろうか、か腕から血が流れ落ちていた。

「ププトさん腕見せて。」

彼女の腕をとり、治療を施した。

「痛いの痛いの飛んでけ~」


腕の傷はみるみる回復した。まだ現実から帰らぬププト。


「さてと、ププトさん約束忘れないでね。あと神社まで案内宜しく。」

彼女はポカーンとして動かない。何があったかもわからないであろう。

「ププトさん!」

もう一度彼女を強く呼ぶ。


「あ、はい。ヒメカ様は魔王軍の方ですか?」

唐突に新しい単語が出てきた。魔王軍?

「たぶん、魔王軍ではないけど。それは何?」


まさかの私、魔王?そして弟勇者、素直と戦う?そんな設定は嫌。

「名前のままです。魔王の従える軍隊です。一人で何千の人を殺してしまうんです。」

今、私がやった狼を倒すような感じかな。魔族。広域魔法?魔法以外でも行けそうだけど。


この世界の情勢が気になった。

「魔王と人間は仲良しかな?」

「何言ってるんですか!魔王は一方的に人を消し去ろうとしているんですよ!」

「そうですか。」

激高されてしまった。


「では、人は魔王にどう対策しているのかな?」

「もちろん、勇者様です。いろんな国のサポートはありますが、勇者様に頑張って貰ってます。」

素直、この世界ヤバくない?早く連れて帰ろう。


「あと、聖女様を探しています。すべての魔物を浄化出来る方らしいです。」

「ヒメカ様。ひょっとして、聖女様ですか?」

聖女?私が?ない。ない。いや、ありえるのか?

「違うかな。私は普通の人間。」


とは答えたがやはり私は普通ではない。



話ながら彼女に付いていくと神社ではなく、集落へでた。

人通りはなく過疎っているようだ。

「ププトさん神社は?」

「神の祭壇は村の奥にあります。」

これは、完全に聞き間違いのパターンですね。諦めが肝心。


「その前に薬草を薬師のスバルさんに渡したいので、寄らせてて下さい。」

「かまわないですよ。」

薬師か。どんな人だろう。ここまで来たらのんびりいこう。

ププトは一件の建物の中に入った。私もそれに続く。


「スバルさん薬草取って来ました。」

「ププト!」

スバルさんはふくよかな女性の方でした。ププトに駆け寄り抱き付いた。

「バカー 心配かけて。森に一人で入って、狼に襲われたらどうするつもりだったの!」

「もう、しません。怖かった。これ薬草です。速くポーションを作って下さい。」

うん、彼女馬鹿者だ。私がいなければ狼の餌。

あの数の狼をいるの知った上で薬草採集。

でも、それが必要な事態があったのであろう。


スバルさんが私に気づく。

「ププトとあちらの方は?」

「ヒメカ様。聖女様です!」

「違うから。」

即座に否定した。


「絶対、聖女様です。何十頭もいる狼の群れを一瞬で薙切る方ですから。」

「しー。しー。言わない約束。」

コラ、あっさりしゃべるな。秘密でしょ。

スバルさんは驚いた様子だった。


「コラ!ププト!あんた、死ぬとこだったんだよ。

気をつけな!」

「はい。ホントごめんなさい。」

ププトはしゅんと落ち込んでしまった。

「聖女様、ププトを助けていただきありがとうございます。」

彼女は深々と私に頭をさげる。

「頭をあげてください。あと、聖女じゃないので名前でお願いします。」


「スバル、ヒメカ様はメイ様と勇者様と知人らしいよ。」

ププトは自慢げにスバルへ、私の人間関係を説明していた。

「勇者様とメイ様と知り合い!ということはやはり。」

「違いますよ。明ちゃんが聖女じゃないの?」

言われそうな事が解ってしまったので話をすり替えた。


「いや、メイ様は女神のご加護がなかったと聞いている。」

女神のご加護。また妙なキーワードが。

「何ですか。女神のご加護って。」

「女神に愛されて力を託された者のことです。勇者様にはご加護がついていました。」

やば、ますます私。聖女候補だ。素直にあって、明ちゃんにない。

「その加護ってどうやって判断したんですか?」

「王都の大聖堂で判定出来るみたいだけど、詳しくは知らないの。」


王都に大聖堂か。私は元の世界に戻りたい。


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