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学校生活

部活の朝練のため家を早めに出る。


私は剣道部の副主将をしている。実力は全国レベルだ。

そのため、実質主将と同じ扱いだ。今日も練習の激を飛ばす。

「素振りはじめ!」

「1、2、・・・・・・」

「止め!足さばき」


正直、声出しは苦手。しまいには『姫華、声かわいい。』と言われてしまう。


実のところ、素直も剣道をやっていて私より強い。

去年の12月。受験生のストレス発散と思い手合わせを行ったがボロ負けしている。

私が中学の時、弟には一度も負けていなかったため落ち込んだ。

強さだけならもう守られるのは私かもしれない。

それでもあの時の事故から、彼を守るのが姉である私の使命だと思っている。


素直とはいずれ同じ部活をするであろう。

早く部活でイチャイチャしたいと淡い期待を持っている。



お昼休み、弟のクラスへ向かう。

何人かの生徒に珍しがれれる視線を浴びるが気にしない。


私は剣道部の副主将と生徒会の副会長を兼任している。

素直達の入学式でも当然のように駆り出される。

一年生でも私のことを知っている人はいたかも知れない。


「すー君。見っけ。」

弟に抱き付く。

「うお、姫華。脅かすな。」

弟のクラスメイトから熱い視線がふり注いだ。これ私のだからね。

「お腹すいた。」

「ほい。弁当。忘れるなよ。」

「ごめんねぇ~。じゃあいただきますか。」

彼からお弁当を受け取り彼の席の前を借りる。

「待て、ここで食べるのか?」

「え?ダメ?」

「その、回りの視線が。」

「気にしない。気にしない。」


弁当を広げると一人の女子生徒がこちらに近づいてきた。


「あの、2年生の方ですよね。素直とはどのような関係ですか?」


黒髪の似合う何処かミステリアスな女の子が声を掛けて来た。

私は貴方と素直の関係の方が気になる。

素直を呼び捨てなんて。


対抗意識を燃やしこう答えた。

「恋人。」


「おい。適当なこと言わない。姉貴だ。」

素直に怒られた。

「お姉さん!私は安倍(めい)といいます。素直君とは去年から付き合っています。」


(付き合ってます。付き合ってます。付き合ってます。)


心が折れそうだ。弟はモテる。それは知っていた。だから色々妨害していたのだ。

たった1年違う学校に通っただけで。

「そ、そう。」

「おい、明。姫華をあまりイジるな。家帰ると大変なんだから。」

「すーちゃん。お姉ちゃんに詳しく教えて欲しいな。」

「見ろ。変になった。」

昼休み、弟とその彼女を尋問する事になった。


「いつから付き合い始めたの?」

「中3の春からですからもう少しで1年になります。」


(1年になります。1年になります。1年になります。)


「そ、そう。」

知らなかった。1年も。私が卒業してすぐに虫がついたのか。

「き、きキスとかは、しちゃってるのかな?」

「はい1度だけ。」


「ガジヤーン」

突然、教室の窓が割れた。破片が飛び散る。

ヤバ。冷静になれ私。

まずい、外の人にガラスの破片当たらなかったな?


「明!」

突然、素直が彼女の名を呼ぶ。

「おかしい。結界は完璧なはずだけど。」

「わかるか?」

「ダメ。探知も出来ない。」

なんだ?この二人の会話。意味不明。


「あの、お二人さん。私を抜け者にしないでね。」

『あ。』


二人とも知らぬ顔で私と目線を合わせようとしなかった。

何を隠してる?

ガラス割れた原因は私なんだけど。御免なさい。


「外の様子見てきますか。」

私は二人にそう告げお弁当を閉まった。

「姫華。俺も行く。」

「いいよ。ゆっくりお弁当食べて、これも生徒会の仕事だから。」

素直の申し出を断り外に出る。


校舎したにはガラスが散乱していた。

3人の怪我人がぼーっと、立っていた。

「大丈夫ですか。」

声をかける。

「あ、副会長。みんなかすり傷です。」

「そう、良かった。でもすぐ保健室ね。」

ホントみんなゴメン。今直すから。集中。心の中で呪文。

(痛いの痛いの飛んでけ~)





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