稲田家の朝
久しぶりに昔の夢を見た。
力の行使はあの時が初めてだったかも。私は普通の人ではなかった。
事故より10年の月日が経った。
私は高校2年になり素直は今年、同じ学校へ入学した。
再婚した二人には二人の子供が出き、6人家族の大所帯となった。
私は母の手伝いをするため皆より早起きをする。
朝食とお弁当の準備をするためだ。
「お母さん。おはようごさいます。」
「おはよ。姫華。今日もありがとう。」
母は洗濯物と格闘中。それが終われば掃除機もかける。
私が朝食とお弁当の準備を終えたところで母に声をかけられた。
「尊と雅、起こしてくれる?」
小学生組の兄妹だ。尊、弟小6、雅、妹小4。生意気ざかりだ。
「父さんと素直は?」
「ん~。お父さんは私が素直をお願い。」
母は悩んだようだ。何で悩んだかは知らない。
自分の部屋に戻り妹を起こす。
「雅、朝だよ。起きて。」
「お姉ちゃんおはよ。」
彼女は寝起きが良い。すっと起き上がてくれたあとは弟達だ。
男部屋に入る。尊はすでに起きていた。
「尊おはよ。ごはんで来てるから。」
「はーい。おはよう。兄ちゃんは?」
「今から起こす。」
「先に行ってる。」
聞き分けの良い子だ。さて、いつもの儀式をするか。
ベットより布団をはぎ寝ている素直に、優しく声をかける。
「すー君。おはよ。起きて。」
起きない。仕方がない。いつも通りに私も横になり彼に抱き着く。そして。
「ねえ、すー君。しよ。」
「姫華、毎朝毎朝、何やってやがる!」
起きた。次はいつものセリフ。彼はいつ私に手を出してくれるのでしょうか?
「だってしたいんだもん。許可して。」
「起きる。起きます。どいてください。」
仕方がなく彼から降りる。
「着替えるから出て行ってくれる。」
「はーい。」
男部屋を退散した。
キッチンに戻ると妹が、騒いでいた。
「お姉ちゃんこの服シワくちゃでイヤ。」
「ちょっと待って。そのまま動かないでね。」
妹の来ている服に手を当てた。手アイロンだ。
シワが伸びますようにと念じながら擦る。
「どう?」
「バッチリ。お姉ちゃんの手。魔法の手だね。」
「こういう裏技なの。」
半分嘘。雅、正解。
次は尊の寝ぐせだ。
「尊、頭。手櫛するから。」
「いいって。」
「だーめ。」
弟の頭を軽く撫でる。それだけで寝ぐせは修正された。
「2人とも早く食べてね。ねーちゃんも、すぐ行くから。」
三人で朝食をとり、私はすぐに学校へ向かう。
そして弁当をわざと忘れていった。