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琉璃色の造花

 ——昔々、何処かの塔に幽閉されていたお姫様が居た。

 そのお姫様はいつ頃からか忘れたが、塔から出られなくなっていた。

 彼女が知っているのは、この塔と、顔も知らないある一人の人間と、窓の外に広がる銀世界と、

 彼女がまだ塔に幽閉されていたいなかった頃に出逢った王子様だけだった。


 その王子様は、茨に囲まれている真っ白な塔に住んでいて、そこから出ることは出来なかった。

 お姫様はまだ塔に幽閉されていなかった頃、毎日の様にその王子様へ会いに行き、王子様と塔の最上階で空を見たり、王子様の知らない外の世界の話を聞かせたりしていた。


 王子様は楽しそうにその話を聞き、二人はとても仲が良かった。

 しかし、その時間も長く続かず、お姫様はその能力の高さからか塔に幽閉される事となった。

 大好きな王子様と会うことが叶わなくなったお姫様。

 王子様の話は、塔に訪れる顔の分からない人間から語られることだけだった。


 お姫様はいつからか思うようになった。


「きっとこの銀世界の下から緑色の芽が芽吹き、窓の外が一面の花畑になれば、王子様が会いに来てくれるかもしれない」


 そう思うと、お姫様にとって塔での生活も苦ではなかったのだ。

 そうやってお姫様は、お姫様として威厳高く、塔の最上階に住み続けた。


 いつか、また王子様と会う日を、それだけを心の拠り所として。

 ずっと、待ち続けているのだった。


「ルカ、今日の気分はどうだい?」

「——ええお父様、相変わらずよ。」

「そうか。……今日も聞きたいかい」

「勿論。……私が此処に居続ける理由なんて、それだけしか無いもの。」

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