第7話 赤き竜
「荒らされてる…」
木々がなぎ倒され、地面には穴が空いておりここをドラゴンが通った事がわかる。
「これを辿れば会えるわけね」
そう言って荒らされた道を辿って行く。この先にドラゴンがいる。どれだけ強いのか、自分はどれだけ戦えるのか、不安は増える一方だ。
「でも、やるしかない。ここで引くわけにはいかない。私がやらなきゃ誰がやるのよ」
そう言って自分を奮い立たせる。勝てる、いや絶対に勝つ。その時だった。
「グオオオオオオオオオオオオオ」
大きな咆哮が聞こえた。間違いない、ドラゴンだ。咆哮が聞こえた方に向かうそしてついにドラゴンに出会った。赤い体の巨大なドラゴン。ドラゴンはこちらに気づき突然火を吐いた。
「!?危なっっっ!」
咄嗟に水の魔法を発動する。どうやらちゃんと魔法は使えるようだ。ひとまず安心した。先程の火のブレスは凄まじい威力だった。当たったらただでは済まないだろう。正面にドラゴンが立つ。恐ろしい。こんな相手に1人で挑むなんて正気じゃない。そう思いつつも逃げるなど一切考えない。戦闘開始だ。一瞬の油断は死を招く。目の前の相手に集中しろ、私。ドラゴンは動きがゆっくりだ。気をつけていれば攻撃は当たらないだろう。
「まずは速度強化ね…強化魔法はどの程度使えるのかなっと」
自分に魔法を使う。すると体が軽くなった。倍以上の速度で動けそうだ。
「次はあいつの弱点探し。多分あの鱗は硬すぎてダメージが通らないね」
赤く光る鱗は一目見ただけでわかるほど硬そうな見た目をしている。あれだけ森を荒らしたのに傷一つついていない。
「そうだ、鑑定魔法を使ってみよう。何かわかるかもしれない」
ドラゴンの攻撃を避けつつ鑑定を使ってみる。
名 赤竜王
種族 ドラゴン
特徴 赤き竜を統べる王。炎のブレスを操り敵 を燃やす。動きは遅いが一撃が強力。鱗は硬く、あらゆる攻撃に対する耐性を持っているがその一方で尻尾は弱く、尻尾を損傷すると戦闘力は落ちる。
…なるほど。尻尾が弱点か。今の速度なら追いつかれる事もなく回り込めるだろう。やってみるか。
戦闘シーンが思ったより長くなったので次までかかります