第5話 だから私は戦う
その後、村には約10分程で到着した。割と小さな村だったが人数的にはちょうどいいらしい。
「ではまず私たちの家に案内しても大丈夫ですか?」
この村のことは全然知らないしその方が良いね
「はい、お願いします」
どんな家なんだろう、楽しみだなー
周りを見ると確かに女性しかいない。私としては安心するのだが普通に考えて異常な光景ではあるんだよね。
家は木造住宅だった。前世でも見たことがあるような木造。しかし素人目で見てもわかるほど綺麗に作られていた。きっと優秀な建築士がいるに違いない。いつか私もこんな家に住みたいな。中も非常に綺麗でまるで新築のようだ。
「凄く綺麗なお家ですね、いつか私もこんな家に住んでみたいです」
「あら、ありがとう。普段から汚さないように心がけているからかしらね。掃除も丁寧にやっているのよ」
リンさんは嬉しそうに言う。そういえばリリーちゃんは全然話さないな。無口な子なのかな?それとも人見知りで警戒されてるのかな?
「ねえアリスお姉ちゃん」
初めてリリーちゃんに話しかけられた。小さな子に嫌われるのは嫌だしたくさん話して仲良くなりたいな。
「どうしたの?」
「あのね、アリスお姉ちゃんはここに来たばかりでみんなのこと知らないのにどうして助けてくれるの?」
それが聞きたくて不思議そうな表情をしていたのか。私は自分の信念を伝える事にした。
「私は困ってる人を助けられる人になりたいの」
「何で?」
「私は困ってるのに助けてもらえない事があったの。だから困ってるのに助けてもらえない人の辛さを知っている。自分のように苦しみ続ける人は見たくない。リリーちゃんもみんなが笑っていた方が嬉しいでしょ?」
「うん!」
満面の笑みで返事をしてくれた。そうだよ、私はその笑顔を守りたい。自分も含めてみんなが幸せに笑って暮らせる世界にしたい。誰かが悲しむ世界なんてもう嫌だ。だから私は戦う。