第12話 アリスは村を見たい③
「じゃあ次は精霊の木に案内しましょうか」
「精霊の木?」
聞いたことのないものが出てきたので聞き返してみる。
「村の奥にある大きな木よ。特別な魔力でできていて、その魔力のおかげで周辺の森があると言っても過言じゃないわ」
なるほど。つまり重要な木なわけだ。精霊の木と言われるくらいだから精霊が住んでいたりするのかな?とアリスは考えていた。
「精霊の木は凄く丈夫で壊れにくいの。だからこの村で作られる木造の道具には基本的に使われてるの」
そういえばこの村で使っている武器も木でできていた。つまり精霊の加護でも付いてたりするのかな?
「着いたわ、これが精霊の木よ」
「わぁ…」
凄い。大きさだけでも驚いたけど何よりも非常に綺麗な木だ。傷一つない大きな木。これが精霊の木と呼ばれるのも納得だ。心なしか近くにいると元気になるような感覚になる。
「精霊の木の周辺にはね、湖もあるのよ。飲み水にも使われてるくらい綺麗で神聖な水なの。こっちよ」
どうやらこの村の飲み水はここから来ているらしい。外の水をそのまま使うなんて衛生面で問題があるんじゃなんてアリスは思っていたが実際に見てみるとそんなことはなかった
「綺麗…」
今までに見たことがないほど綺麗な湖だった。透き通っていて鏡のようだ。
(…ん?鏡…?)
自分の姿が気になっていたアリスは急いでその湖を覗き込んだ。直後アリスは絶句した。そこには信じられないほど綺麗な顔があった。
「これが私…?」
エルフは美しい種族だから自分も…と考えていたのは間違いではなかった。前世とは比べ物にならないほど綺麗な顔。自画自賛してしまうほどのものだった。
「もしかして自分の顔を見たのは初めてだった?」
「はい、今まで知らずにいました。自分で言うのもおかしいんですが思っていたより綺麗だったので驚いていました…」
「アリスおねーちゃんはすっごく綺麗で可愛いよ!」
「ありがとう」
リリーちゃんが嬉しい事を言ってくれる。それにしてもアリスおねーちゃん…か、本当の妹みたいだ。こんな可愛い妹がいたら楽しかったのかなと考えつつアリスはリリーの頭を撫でる。
「自分で言っても何もおかしくないわよ?誰が見ても可愛いんだもの」
リンさんまで褒めてくれる。ここに来てから優しくしてもらったり褒めてもらったり初めてのことばかりで大変だな。でも嫌だなんて微塵も感じないからここに来れて良かったと感じる。
「そろそろお昼ご飯の時間ね、一旦帰りましょうか」
「そうですね、お腹がすきました」
「私もー」
全員の意見が一致したということで3人は手を繋いで帰ることになった。




