第11話 アリスは村を見たい②
この村は決して大きくはないのだがお店なども多く発展してると言っていいほど賑わっている。
現在男性は治療中とのことで周りには女性しかいないのだがお店に出入りするエルフを多く見かける。
「あらリンさんいらっしゃい」
最初に入ったお店で声をかけられた。ここはよく来るお店なのだろうか。名前と顔を覚えられているなら店員とも仲が良いのだろう。
「今日はこの子の服を買いに来たの」
そうだったのかと、アリスは聞かされてなかったことを言われて少し驚いた。今アリスはローブのような装備を付けているが特別な素材でも使われているのか、不思議なことに一切汚れないのである。だから本当は服など買うつもりはなかった。
「あの…お金持ってないですよ?」
アリスは自分がお金を持っていない事を思い出し不安そうに言ってみる。
「大丈夫よ、これはプレゼントだから」
母からのプレゼント!と、アリスはそれだけで舞い上がってしまうほど喜んだ。たった2日の付き合いなのだが、非常に親子として親密な関係になっていたので、そこに遠慮はなかった。
「それで、どんな服をお望みかしら?」
2人のやり取りを眺めていた店員はニコニコしながら尋ねた。
「そうねー、とりあえず色々着てみましょうか!」
そう言って店内の服を見て回る。この服屋には様々な服があった。前世で言うところのコスプレのような服や普段着など、種類は豊富なようだ。
「これはどうかしら」
笑顔で渡されたそれはメイド服のようなものだった。
(こっちの世界ではこのような服は普段着のうちに入るのかな…?)
まだこちらの世界について理解していないため、アリスには分からなかった。
(それにしてもなぜ人間が着るような服がここに存在しているのだろう。もしかして交流があるのだろうか?)
そんな事を考えつつもとりあえず渡されたメイド服を着てみる。動きづらそうな見た目とは裏腹に普通に動くだけでなく、戦闘するにしても問題がなさそうな服だった。
「「「可愛い…」」」
その場にいたリン、店員だけでなく静かに見ていたリリーまでもが思わず呟いてしまう。
「え?あ、ありがとうございます」
言われ慣れてない事を言われ、恥ずかしくなってしまい、顔を赤らめ俯いてしまう。
「これは買うしかないわね!ピッタリだわ!」
「そうね!安くするから絶対買って行きなさい!」
店員とリンが2人は盛り上がっていた。結局買うことになり着たまま村の案内が続行されることになった。それにしても可愛いと言われたのはお世辞だったのだろうか?どうやら鏡というものは無いらしく、自分の姿を確認することはできない。エルフという種族は基本的に美しい容姿をしているのではないかと村の女性達を見ているとわかる。多分自分もそこそこ整った容姿…なはず。確認する手段が分からないため、疑問が残ったまま再び歩き出すのだった。




