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90話 出発

最後の部分が抜けてました。

申し訳ございません。

 長道さんたちに見送られながら出発した。

 道にいるゾンビの数は最初の時と比べるとかなり少なくなっていた。その分、道に死体が大量に転がっている。これからあの人たちは復興することが出来るのだろうか?


「もう出口だよ」


 出入口周辺はかなりあれている。ゾンビの数も結構増えてるような気がする、テントはぐちゃぐちゃになって血まみれのテントまである。出入口のゲートが壊されている。筋肉モリモリなゾンビが壊したんだろうな。おかげで車が通ることが出来そうなスペースができている。ゲートを通ると、すれ違うようにゾンビがゲートの中に入っていった。ゲートを直さない限りゾンビは入り続けるんだろうな。


「さて、カーナビもついてるし、石川県まで一直線だね」

「そのことなんだが、京都と福井の県境の武装してる子供たちが気になるんだ。万が一襲われたら」

「考えすぎでしょ?襲われたってところを避けて進めば大丈夫でしょ」

「……考えすぎかなぁ?」


 それにしても疲れた。今日一日でいろんなことがったからなぁ。どこかでゆっくり休みたいな。


「どこか休めそうな場所ないか?」

「これだけ人口が多そうな場所だと高速から降りるのもかなり危険だろうし……あ!ラブホテルなんてどう!?インターの近くにあることが多いんじゃない?」

「ナイスアイディアだ。中村」

「前に一緒に入ったよね」

「え!?」

「中村の想像してるのとは多分違うぞ。ゾンビが出始めの頃に避難するために一時的に入っただけだ」

「そっか……」

「なんで残念そうなんだよ」


 高速から降りると、周囲はかなり暗いがラブホテルは見つかった。まぁ……大体建物自体が派手だからな。


「流石に下道はひどい状態だな」

「すぐそこだから早くいきましょ」


 ラブホテルの駐車場に入ると、駐車場には車が数台止まっていた。こいつらがゾンビになってホテルの中にいないことを祈ろう。入口近くの駐車場に車を止めて、懐中電灯と、それぞれ銃を持って車から降りる。俺の方は拳銃か。うまく扱えるか心配だな。イザベラは懐中電灯ではなくランタンを持っている。イザベラが先頭の元、ラブホテル内部に入る。


「誰もいないね」

「いる方が困る」


 停電しているせいもあって内部は真っ暗なままだ。外は月明かりがあったから何とか見えていた部分があったが、ラブホテル内部は真っ暗で懐中電灯やランタンの光が無ければ前にも勧めないだろう。

 正面フロント付近は何かの書類らしきものが散乱している。従業員も逃げてるようだ。……普通に考えれば逃げるか。


「駐車場に車が残っていたことを考えると、どこかの部屋の中にゾンビがいるかもしれない」

「生存者って可能性は?」

「……ないだろ」


 階段を上って2階へと上がる。扉が開いている部屋があるが、出入り口付近が血まみれになっている。そんな部屋は流石に勘弁。


「よく見ると、部屋もこじ開けられたような形跡があるね」

「え?」


 扉をよく見ると、こじ開けられたような跡がある。中にある食料とか飲み物目当てで漁ったんだろうな。この様子だと上の階も漁られてるかもしれないな。


「どうする?上の階も見てみる?」

「見てみるか。もしかすると、途中であきらめてるかもしれないしな」


 さらに階段を上る。3階は……だめだ。4階も扉が開いてる。5階が最後だ。階段を上りきると、目の前に段ボールが置かれていた。何だこの段ボールは?


「なにこれ?」

「段ボールだな」

「見ればわかる。中身は飲み物とお菓子か。これってもしかして下の階を漁ってたやつの段ボールだろ」


 待てよ……ここに置いてあるってことは階段を上ったところで何かあったってことだ。


「見て!血が続いている」


 段ボールから廊下の奥の方に血痕が続いている。イザベラが大阪から持ってきた小銃を構えて前に進む。俺はイザベラの懐中電灯を受け取って進行方向を照らす。後ろの方は中村が大阪で俺が使っていた散弾銃で警戒してくれている。


「段ボールの持ち主がいたよ」


 懐中電灯で照らした先には廊下の壁に血だらけになって寄りかかって倒れている男性がいた。男性の手には拳銃が握られていた。リボルバー式で警察官が持っているやつだ。


「見て、左腕にかまれたような跡がある。ゾンビになる前に自殺したみたいだね」

「弾は全部撃ち尽くしてるみたい」


 イザベラが男性の持っている拳銃を調べている。


「持っていくのか?」

「持って行かないよ。一が持っているハンドガンの方がいいもん。日本の警察官が持ってる拳銃なんてアメリカに行ったら子供が遊ぶような銃だよ」

「マジかよ。アメリカすげぇな」

「……後ろから何か来てる」


 中村が暗闇へと散弾銃を向けた。イザベラも中村と同じ方向に小銃を向けた。暗闇からゆっくりと人影が歩いてきた。人間か?それともゾンビか?

 明かりで照らされたところまでくると、その人影は拳銃自殺してる人と同じような姿をしてるが女性だ。左手と右足がちぎれかかっていて、腹からは腸が出ている。これは人間じゃない。


 パン


 イザベラがゾンビの眉間を撃ち抜いた。


「多分、この人たちってここを漁っているときにゾンビに襲われてこんな姿いなったんだよね」

「あぁ」

「さっき調べたリボルバーの弾は全部撃たれてたの。ってことはほかのゾンビがどこかに潜んでるってことじゃない?」

「……まぁ普通に考えれば」

「問題はその数。1体だけならこの二人がここまでボロボロになるまで体を喰われるってことはそれなりの数潜んでいるんじゃないの?」

「それにしてはほかの階は静かだったぞ」

「それならこの階に全部いるってことじゃない?」


 どこかで物音が聞こえた。


「噂をすれば……」

「戦う気か!?」

「当たり前じゃない。これだけの武器があるんだよ。それに部屋に閉じこもってもいつ出れるかわからないでしょ」


 イザベラが小銃のサイトをのぞき込んで撃ち始めた。


「6体ほどだし。すぐ終わるよ」


 イザベラの宣言通り6発ですぐに終わった。最初に比べてイザベラの射撃の腕もかなり上達したよな。俺も少しは上達したはず……イザベラと中村がいる限り俺の出番はなさそうだけど。


「中村。何してる?」

「何って、ゾンビの死体を漁ってるの」

「特に何も追ってないだろ」


 倒れているゾンビの服装を見ると、下着姿のゾンビもいる。見た感じこの騒動が始まったときに利用していた客とそのあとに漁りに来た人たちの2種類だな。


「さ、安全も確保されたし、奇麗そうな部屋で寝ましょ」

「軽いなぁ」


 とりあえず扉が閉まっている部屋に入ろうとするが扉が開かない。停電しているせいなのか、それとも中に人かゾンビがいるのか。ほかの部屋を開けようとするが空かない。停電のせいだな。


「下の階のこじ開けられてるところに行くか」

「そうだね。こじ開けるのは大変そうだからね」


 下の階に降りてすでに漁られて扉がこじ開けられている部屋に入る。部屋の中は真っ暗だ。部屋の中をライトで照らすが、荒らされているのは冷蔵庫の中身だけか。……いや、大人のおもちゃも床に散乱している。どうやら手あたり次第漁ったから食料とは関係ないものも出したんだな。


「これって何に使うの?」

「えっと……」


 中村がイザベラに大人のおもちゃの使い方を聞かれて困っている。


「そうだ!入ってきた扉を塞がないと。寝てる間にゾンビが入ってくるかもしれないよ」

「そうだね」


 中村が話題を無理やり変えた。3人でソファーを運んで扉を塞ぐようにして立てかける。これで簡単には入ってこれないだろう。


「見張りするか?」

「出入口は1つしかないし、侵入するときに立てかけてあるソファーが倒れて物音がするから大丈夫でしょ」

「さて、俺はもう一つ残っているソファーで」

「ここは夫婦で寝たら?私がソファーで寝るから」


 イザベラがソファーで寝始めた。……仕方ない。俺と中村はベットで寝るか。

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