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新世界で  作者: 前田浩二
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第三話

 先輩は今日はもう勧誘は無理そうなので練習をして帰るとの事で、そのまま今日は家に帰ることにした。家まで自転車で片道40分位かかるのだが、バスや電車はそこまで行く時間と本数の関係で直接自転車で来たほうが早いか変わらない位なので自転車にしている。時間がかかるのは受験する時から分かっていた事なので仕方が無い。

 帰り道部活の事を考えていたが、弓道同好会でいいかな、と思っていた。高校から新しい事を、とは考えていたし、実際弓道はおもしろそうだし、カッコイイ。知り合いがほとんどいない環境で、最初に知り合った先輩がいるというのも大きい。初日で過激な勧誘が行われていたが、最初から決めているのでないのであれば、一番最初につながりができると言うのは選ぶ上で大きな要素になるのだ。先輩が可愛くて話しやすかったのも非常によい。

 部活をするのであればある程度の活躍、成功をしたいものであるが、メジャーな部活だと経験者が強くて高校から始めてそこに割り込むのは難しいし、自分がそこまで運動神経がいいわけではないのは分かっている。そういう所からも、ほとんど皆高校から始めると言う弓道は条件にかなっている。


 初日ほどの過激さはなくなったものの初日以降も勧誘は続いていて、幾つか話を聞いてみたもののいまいちピンと来るものは無いまま数日が過ぎ、部活紹介の日がやってきた。

 講堂で部と同好会の紹介があるが、全部で60位もあった。部が20同好会が40程の比率だったが、更に多数のサークルがあるらしい。部、同好会、サークルの差は学校からの援助の差みたいだがいまいちよく分からない。ただこの高校は他の高校に比べて生徒の部活動がかなり盛んであると言うことは分かった。多分大学とかはこんな感じじゃないだろうか?

 弓道同好会の時は先輩が出てきて、同好会の説明と俵?みたいな物に向かって矢を放っていた。初めて弓矢を使っている所を見たが、実際凄くかっこよかった。どう見ても矢がある所が弓の真ん中じゃなくてバランスがおかしいように見えたが、全体の形としては美しく見えた。後に出てきたアーチェリー同好会の弓は真ん中でごてごてとオプションが付いていてかなり差があったが、個人的には弓道の方がかっこよく見えた。今度先輩に聞いてみよう。

 全部を見終わった後も特に興味を惹かれる物も無く、やっぱり弓道にしようと決めた。


 その日の放課後、やっぱり中庭で勧誘していた先輩を見つけた。

「どうもこんにちは先輩」

「あ、小笠原君。こんにちは。どう、部活決まった?」

「はい、弓道にしようと思いまして」

「本当!?やったわ!実はまだ一人も入ってなくて。そんなに人気な訳でも無いし、動きがあっても今日以降かなとは思っていたんだけど。小笠原君が一番乗りね。嬉しいわ。歓迎します」

 入ると聞いて物凄い笑顔になった。他に新入部員はまだ来ていなかったのか。それは嬉しさも倍増だろう。

「他にまだいないんですか…俺としてはかなり面白そうだと思ったんですが」

「今日の部活紹介で新勧活動も一区切りだし、これから追々…かな?」

「そうですか。とにかく俺は入りますんで、これからよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね。じゃあ入会届けやもろもろの説明もあるし、とりあえず部室に行きましょうか」

「はい。分かりました」


「コーヒーでいい?」

「はい。お願いします」

 部室に着いたらまた先輩は水を汲みに行ってコーヒーをいれてくれた。

「はい、どうぞ」

「いただきます」

「これが入部届けね。記入したらまた後日私に渡して」

「分かりました。ってそういえば他の先輩を見かけないんですけど、勧誘しているんですか?」

「あー、その、あれだわ。現在弓道同好会は、私一人なの…」

「え?先輩一人なんですか?」

「ええ…卒業した先輩は八人いたのだけど、私の一学年上と同級生で何人かいたのは、皆やめちゃって」

 これは…予想外だった。確かに中庭で勧誘しているは先輩以外見かけなかったけど、流石に一人だとは思わなかった。

「今日部活紹介の時あの俵みたいなやつを運んでいた人は違ったんですか」

「ああ、あれは私一人だと時間がかかって進行が遅れるから生徒会の人が手伝ってくれたの」

「なるほど。そうだったんですか」

「ほら、でも小笠原君が入ってくれてとりあえず二倍になったし!これからも増えるだろうし、ね?」

 一人が二人になったので二倍って言っても…しかしそう言う事ならば、俺が入るので先輩が大喜びなのも納得だ。今年の新入生がどれだけ入るのかは正に死活問題。とりあえず一人入ったのは大きな前進だろう。

「あんまりたくさん入ってきたら先輩一人だけだと大変そうですね」

「私一人で手が足りなくなる位入って来るなら、正に嬉しい悲鳴だわ」

「そりゃそうですね」

「それじゃあ諸々説明していくね」

「はい。お願いします」

 その後説明を受けた。


 こうして俺は弓道同好会に入る事になった。






入学式が四月一日の所はほとんどないとは思いますが、区切りが良いと言うことで。

同好会ですが「部室」「部活」です。

たまたまですが作中の時期と現実が一致していているのに気づいてびっくりしていますw

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