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新世界で  作者: 前田浩二
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番外編

 とある土曜日の道場での練習の日、テスト期間の関係で珍しく他校の部員が居なく、二人だけで道場を使うことになった。準備、片付け、金銭的には結構負担が大きいが、順番待ちが無く好きなだけ練習できるのはプラスだ。

 

 準備が終わって巻き藁で練習していると、見ていた先輩が言った。

「そうだわ、せっかく他に人がいないんだし、普段出来ないことを見せてあげる!」

「突然ですね。手紙でも来たんですか?」

「ふふふ、雨は降ってほしくないわね。このさ、普段巻き藁で使ってる矢って、巻き藁専用じゃない?なぜだと思う?

「棒矢ですか。…羽が無いから飛ばないんですか?」

「さあ、それを試してみましょう!」


 そのまま棒矢を持って的前に来た。先輩は普段使っている竹製の小さな羽が付いているちょっと高い棒矢を持って来た。

「出来るだけ真ん中の的にいきましょう」

「?はい」

「じゃあ私から行くわね」


 スゥ…ヒュン!…パン


 いつももながらの見ていて惚れ惚れする射で、棒矢はいつも通りに的に中っていた。

「そんなに羽が小さくてもちゃんと飛ぶものなんですね」

「うん。私も最初驚いたわ。じゃあつぎは小笠原君いってみて」

「はい」


 スゥ…ビィン!…ヒュオ!バス


「え…???」

「ふふふ、どう?」

「何なんですか、今のは?」

「もう一射してみようか」

「はい…」


 スゥ…ビィン!…ヒュオ!バス


「…」

「棒矢って本当に巻き藁専用なんだなって解った?」

「はい。これじゃあ中ったら奇跡ですよ」


 いつも通りに矢を放ったら、矢が途中で真横を向いて!次の瞬間横を向いた矢の先端の位置でまた真っ直ぐに向きなおして安土に刺さった。自分の位置から大体矢一本分横にずれている。二射とも多少の違いはあるが、ほぼ同じ結果だった。


「何なんですか今の軌道は。魔弓なんか特訓してないですよ?」

「これじゃあ全部ボールになっちゃうね。これが羽が付いている効果。私が使った棒矢みたいに小さくても付いているのといないのではここまで差が付くの」

「たしかにこれは普段の練習中には出来ないですね…だけど、面白いです!」

「練習にならないからやっても意味無いんだけど、知らないのもなにかアレだと思って」

「ありがとうございます」

「じゃあ棒矢、取りに行きましょう」


 そのまま二人で的まで矢を取りに行ったら、また先輩が笑顔で言った。


「小笠原君、あっちにある予備の的にてで矢を刺してみて」

「??はい」

「頑張って」


 内容が遊びなので、もうぼろぼろで張り替え待ちの的を選んで地面に置き上から破れていない所を狙って両手で刺した――刺さらない。

「あれ?」

 手加減しすぎたかと今度は割りと本気で刺す――刺さった。

「ぼろぼろの的なのに予想以上に強度がありますね」

「でしょ。けどさ、7キロくらいの弓でピョーンって見るからに威力も無く飛んでいってもちゃんと刺さるよね?」

「そうですね」

「これも羽の効果。三枚の羽に微妙な曲線が付いてるでしょ?これで矢が回転して、軌道が安定して、貫通力も上がっているの」

「その小さな羽根でも、有るのと無いのではアレだけの差が付くんですね。凄いな、羽」

「どう?何へぇ位?」

「連打しすぎてもうカンストですよ」

「そう。良かった!」


 その後はいつも通り真面目に練習した。


 羽の効果を知ったのは大きな収穫だったけど、個人的な最大の収穫は、先輩はネタを振ったらちゃんと返してくれると言う事だった。

大変遅くなりました…モウシワケアリマセン。

引っ越してからネット環境ができるまでめちゃくちゃ時間がかかりました。今もまだ工事待ちなんでとりあえず無線で繋げてます。仕事も変わってなかなか慣れなく、繋がってもすぐに投稿する元気がなくて…


番外編はSS何本かまとめて一本の予定だったんですが、一つのネタの尺が微妙な長さになっちゃったんで分割して何回かの投稿に変更します。


今回ので私の年齢がばれそうですが、???ってなってる方もおられるかもしれません。そこはまあスルーしていただければ。この番外編なんて本当に自己満足のオマケなんで!

※もうしわけありませんが、残りの番外編はなし、これで「新世界で」は完結とさせて頂きます。もしも続きを待っている方がいたらごめんなさい!ありがとうございました。

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