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〈Game state ready?〉
〈yeah!!〉 〈nooo!〉
ケイトは迷わずイエスボタンに意識をむけた。
イエスを選択したことで点滅し、次の画面へ変わった。
〈which do you force?>
勢力選択画面。プレイヤーは二つのうちどちらかを選ばなければならない。
スターフォーズを例にとるならば、反乱軍と帝国軍。
反乱軍――〈スターレコンキスタ〉。星を守り、敵勢力を撃退もしくは殲滅する側だ。
こちらはザ・人間! と呼べるような感じだ。食物も衣装も、兵器も、人種も。
自分が選んだ理由で大きいのが、「パイロットシステム」。通称――編隊システムと呼ばれるもの。
これはファイターと呼ばれる戦闘機に乗り、仲間と共に編隊を組み敵を倒すシステム。仲間は自由で、腕前も均等でない。弱小がいれば強者がいる。強者だけで固められた編隊もあれば、様々な人種で乱れた編隊もあるらしく、やる前から心をくすぶられている。
お次は帝国軍。
帝国軍――〈クラウズ〉。星を奪い、敵を倒し、その地を征服するという完膚なきまでの悪者集団である。こちらは、敵をバカスカ倒したい! といった人にオススメだ。
装備は……なんというかオーバーテクノロジーな感じが凄かった。武装は細身のブラスターから重兵装のドデカイブラスターまである。食料に目立つ色はなく、単色単味らしい。彼らの味覚はそれぐらいでいい。肝心なのは戦闘だ! という勢力である。
種族はどれも、凶暴かつ理性がないのもいれば、ロボットのような細身で知的な策略家な種族もいる。
こちらで自分の気を引いたのは、「ETERNAL」と呼ばれる艦隊砲撃。通称――「ロマン砲」。
一瞬にして、戦場を炭焼き場と変えるこの戦術。これは、なんと一週間に一回しか使えないらしい。利点としては、使えば完全勝利らしい。……まぁ、一回しか使えないしな。
要点を整理すると選択ボタンが現れた。
〈スターレコンキスタ〉 〈クラウズ〉
迷うことなく決めていた〈スターレコンキスタ〉を選択した。
点滅し、今度はビジュアル画面に移行した。
容姿のカスタマイズ。ここで、種族もちろん顔立ち、体格諸々を自分好みにカスタマイズできる。
バリエーションは一万を超え、ダブりがないという。
ケイトは人種をどれにするか迷った。迷っては目の前の鏡で、確認した。
どんな風かを見ては変え、見ては変えを繰り返した。
やっとのこと、決まると作った容姿で決め顔を鏡の自分にしてやった。
ヒゲをさすり、手で銃を作る。まるでハン・ソロのような気分に惚れ込んだ。
ケイトが選んだのは「彷徨える戦士」。微かな髭とサムライのような束ねた髪が特徴的だ。顔には切られた傷が多数あり、歴戦を制してきたと伺える顔立ちである。
名前を要求された。名前はとうに決まっていたため、悩むことなく即答した。
〈エイト〉
同ネームなのは多い。この名前にした理由は、自分のケイトと似ているからだ。発音とかも、ついでに言うとラッキーナンバーでもあるがゆえだ。
ビジュアル画面を終えると武器選択画面に移行した。
ここでは文字通り、武器の選択をする。
ブラスター、鉛弾を使う自動小銃、光線銃――これがメイン武器となる。
ブラスターは対人、対クラウズ、どちらでも並みの威力を発揮できる。多くの〈スターレコンキスタ〉に属するプレイヤーはこよなくこれを愛する。
だが玄人となると、二つに分かれる。
鉛弾の自動小銃。こちらは対人戦闘に特化している。ほとんど護衛やら、仲間討ちに使われている。そのため、市場では目立ったものは見かけず、ブラックマーケットで流通が確認されている。
光線銃。照射し、相手を倒す銃だ。主に対クラウズと対兵器である。照射し続けなければ意味のないもので、弾数が少ないこともあり、人気はない。一部では神が与えたウェポンだのと、賞賛している。これはこれで、戦場では大きな役割で活路を開くためや、敵のマーキングに使われることがあるらしい。
ケイトは少し迷いながらも、ひとまずブラスターを選択した。
お次はサブ武装。
近接戦闘武器、手榴弾、支援マーカー、小型の銃(片手で可能な銃)、他にも色々とそろっている。
近接戦闘はこの見た目からしてそそられた。刀のような武器でもいいなとは思ったが、さすがにまだ早いとやめた。
きちんと考え直すと、支援マーカーにした。これにより、敵の座標や、戦闘機による支援攻撃、宇宙艦隊による攻撃をしてくれる。燃えるシチュエーションを考えると、ケイトはこれを選んだ。
これ以外に選択を決めると、等々画面が終わりを告げた。
〈戦争が始まる。準備はいいか?〉
〈いいよ! 早く始めてくれ!〉 〈まだ待ってくれ! やり残したことがある〉
当然ながら、開始を選択した。
辺りが光で包まれ始めた。眩い光に目を細めると、目を開けた頃には新しいみたことのない光景が広がっていた。