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星の涙  作者: Aノ
プロローグ
1/5

3話から本編開始と、とっていただければ幸いです。



「なぁ、カズマ。これをこうしたら、上手くいくんじゃないのか」


 ケイトは糸を結ぶと解く動作をしてみせた。


「俺もそう思った。だけど、覚えてるか。あそこはそんな簡単に崩れる場所じゃない。『好夢機関』――知ってるよな」


「もちろん。好きな夢を見させては人をたぶらかし、金を貪る永久機関……だっけ?」


 カズマは頷くと、バックパスを表示した。

 ここから目的地の「サウランド・ヒップ」までだ。これがあれば容易に、疲れずにたどり着ける。


「あれがつながっているんだ。裏でな」


「よくある話か。裏では『好夢機関』が、表では大手ゲーム会社ときた。最強コンビじゃないか、仮想世界で夢を見させて、それを収益とする。それに人は気づかない、ゲームをしながら好きなコンディションを作り出しプレイする。終了時間がくるまでね。病みつきになり中毒者が多数だそうだ」


「ゲーム名は『星の涙』。感動的なタイトルから伺えないようなストーリーと、レーザー銃での銃撃戦が楽しめる。プレイヤーはその中で二つの勢力にわかれる。星を守り奪還する側と星を奪い敵を倒す側。大した差はないらしいが、人気なのは星を奪う側――クラウズだな」

 

 ひゅ~と、ケイトが賞賛に口笛を吹いた。


「物知りだな。やったことあるのか」


「まさか。だけど動画はみて、基本知識は知ってるいるよ。見た感じはスターフォーズのような感じだ。帝国軍と反乱軍、プレイヤーはそのどちらか。決まった服装もあるが、自由だ。武器も、兵器も、カスタマイズができるそうで、興味をそそられたよ」


「さすがは同時に一億人がやってるゲームだ。感心感心! だが、それを俺たちもするんだろ?」


 造作無くカズマは頷く。


「だからの「サウランド・ヒップ」だ。そこでなら安全かつ、機関の目をすり抜けられる」


「目的はそのゲーム内に存在する『エンターブレイン』の確保と……」


 思い出せないケイトの口を次ぐようにカズマが言った。


「ゲームを楽しみ、このゲームの戦いを終わらせるんだよ!」


 いつになく楽しみな様子。

 それはケイトも同じだった。ゲームが好きなもの同士、未知のものに目がないのだ。


「オーライ。でもあれは終わるのか? 終わらないようにできてるんじゃ」


「言ったろ。どちらかで勝利すれば終わるんだ」


「なるほど。じゃあ、星を奪うか、相手を倒しきれば終わるのか」


「そうだ。だから、俺たち二人はそれぞれの軍につくとしよう」


「てっきし、同じ側でするかと思っていたよ。まあ、そっちのほうが面白いか! それで、どっちがいいんだ」


 ここでカズマが提案する。


「一斉のせで言うというのはどうだ。同じならジャンケンか話し合い、お互いが分かれているのなら励まし合う」


 ニッとケイトは笑うと


「なぁ、カズマ。確かお前はシスが好きだよな、あとトルーパーが」


「もちろん。あのトルーパーのフォルムと暗黒面の強さ、憧れを持たざるにおけないじゃないか!」

  

 ここから脱線しても、カズマの一人喋りが続くためにケイトは切った。


「なら答えは決まってるな」


「そういうお前は決まったのか?」


 「もちろん!」と自信満々でケイトは答えた。


「じゃあ、せーのっ!」


 答えが分かれる。それはケイトの想像道理に運んだ。

 もちろん、自分が反乱軍が好きでXウィングのようなパイロットに憧れたからでもある。


「これでお互い敵同士だな。お互い、頑張ろうや」


 ケイトが手を差し出すと、力強くカズマは握り締めた。

 痛い、痛い! と笑いながらケイトは振りほどいた。


「ここからその場所まで、どうやって行くんだ? 手段はあるのか」


「バックパスを既に獲得済みだ。だから無人のVIPリムジンが間もなく来るはずだ」


 言ったのも束の間、地平線から黒塗りの長い車が姿を現す。

 ケイトはよくやるよと、口笛をふいた。


『お待たせしました、お客様。二名様で』

 

 接待型機械が運転席からノイズのない綺麗な声で尋ねた。

 VIP用だからか、服装も容姿も整っている。この一体だけでも、相当な値が張るはずだ。


「これを」

  

 カズマは表示させたバックパスをみせる。

 人型ロボットが覗き込むと「どうぞ、お足元と頭上にご注意を」といい、座席の扉をあけた。











 

 

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