赤ちゃん魔女に出会う。
お見苦しい所をお見せしてすみません・・・。身体は0歳児ですけど、精神年齢は30歳代の大人が年甲斐も無く大泣きして恥ずかしい限りです。でもおかげで様ですっきりしました。
私は決めました。ここが異世界だったとしても、私らしく生きていこうと決めたんです。家族や友人に会えないのはすごくつらいです。でも、一生懸命に生きて行けば天寿を全うした後にあの世でもう一度会えるのでは無いかと期待します。会えなければ許しません、全力で抗議する所存です。
ただ、そんな決意も無駄になるかもしれません。私の周りには空想上でしか見たことの無いような生き物が集まっています。小さい体躯に緑の肌、汚いぼろ切れを腰に巻き木の棒を持っています。いわゆるゴブリン?でしょうか、わかるだけでも5匹はいます。とりあえず、やっと事実を受け入れたのに、こんな状況の私は"おぎゃー、うんぎゃぁぁー(いつか絶対神様ぶん殴る)"と叫んでみるのでした。
それは、突然のことでした。私を囲んでいたゴブリン?達がいきなり赤い炎に包まれて、黒い塵だけを残して消えてしまいました。私は、もっと強くて怖いものが来たのかと思って恐怖に固まりました。でも、箱をのぞき込んだのは若い女性でした。その方は私見て顔をしかめていましたけど、だんだん不思議そうな顔をしました。そして、静かに手を伸ばし、ゆっくりと私を抱き上げました。私を見る彼女の顔は緊張と恐れるような顔をしていました。ゴブリン?を簡単に倒せる人が、私に対して緊張している様子なのがおかしくて、何よりも助かったことに安堵して笑顔があふれました。
《?????》
その日は、大好きなお酒を飲みながら気ままに過ごしてたんだ。
あたしみたいな天才美魔女ともなれば蓄えも十分にあるし、好きに生きても問題ないからね。
でもさ、最近あたしが引っ越して来て住みはじめた森にいろんな物を捨てていく馬鹿がいるんだわ。そのうち、排除しなきゃね-。ま、どうでもいいんだけど。
そんな風に人が気持ちよく夜の森を散歩していたら耳障りな鳴き声が聞こえてきた。せっかく人が気持ちよく歩いていたのに、最悪なんだけど。そんな気持ちで、あたしを不快にさせた原因をぶちのめそうと鳴き声が聞こえる方に歩いて行ったんだわ。そこには、きったない木箱を取り囲んだ5匹の雑魚がいたんだ。さっさとゴブリンどもをあたしの魔法で片付けたんだけど、その木箱の中からあの鳴き声が聞こえてたわけ。中を見たらさ、子どもがいたんだよね。あたしを見て一旦泣き止んだその子ども。自慢じゃないけど、あたしは子どもが嫌い。だって、あたしの天才的なオーラに恐れをなして泣くんだもの。子どもは本能的にあたしの魔力の強さがわかる。だから嫌い。中には全力で否定しようと火がついたように無く子どももいる。それで体調を崩されても後味が悪いと思わない?だから、近づかないし関わらない。
でも、この子は変な子どもだわ。さっきまで泣いてたくせに、あたしを見ても泣かないんだもの。だからさ、興味がわいた。静かに手を伸ばしてみた、泣くかな?
ゆっくりと抱き上げてもその子どもは泣かなかった。大きな目であたしを見て、笑ったんだ。強すぎる魔力のせいで、恐れられる魔女であるあたしを見て。
その時、"あぁ、あたしはこの子と出会うためにきっとこの森に来たんだって。"って思ったんだ。笑ってもいいわよ?でも、本当にそう思ったんだから。この子は、あたしのもの。あたしの"娘"、"弟子"、関係なんてどうでもいいわ。誰にも文句は言わせない、そう"破壊の魔女"メリッサ・エキザルト"の名にかけて!!