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異世界ナイチンゲールの奮闘記!!  作者: ぶるどっく
第一章 赤ちゃん誕生編。
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赤ちゃん誘拐される。

 私が生まれて半年ほどたったある夜に私の部屋に入ってくる人影がありました。彼女は私の専属のメイドさんで"ミリー"と呼ばれているのを聞いたことがあります。メイドさんも大変ですよね、交代で私の部屋の隣にある部屋で待機しててますし。夜に私が泣くとすぐにきてくれます。

 最初は私の様子を見に来たのかなと、いい子で寝ていますよーと目を閉じてみました。そうしていると、ベッドの横まで彼女が来て私の様子を確認している気配がしました。でも、なかなか側を離れないのです。いつもなら、私が眠っているのを確認できれば隣にある部屋に戻るのですよ。不思議に思って、薄く目を開けてみました。

 彼女はいつも笑顔でした。でも、月明かりだけが照らす彼女の顔はとても冷たいものでした。私は、驚いて泣き出しそうになりました。でも、彼女が小さな声で何かの言葉を紡ぐと急に眠くなってしまいました。

 「姫様、呪うのならば病魔に好かれる御身を呪って下さい。私は、敬虔なるフォルティナ教徒。病魔に冒されたものを害したとしても、たとえそれが王族であっても、神はお許しになるでしょう。」



 "がたがた"という振動に目が覚め、精一杯の速さ飛び起きようとしたらおでこに衝撃が走りました。地味に痛いです。

 すごく狭くて、暗くて、どうして私はこんなところにいるのでしょうか?

 しばらく混乱してしまいました。そして、意識を失う直前の出来事を思い出して愕然としました。私は、誘拐されたのだと。

 命の危険がすぐに身の回りに無い現代日本で育った私にとって、知っている人"ミリ-"に危害を加えられるとは思って無くて、笑顔で抱き上げてくれた彼女を知っているからなんでこんな事になっているのかわからなくて、その上私はまだ1歳にもならない赤ちゃんなんです。抵抗も逃げることもできません。その事実が私の心を追い詰めます。

 "がたん"と振動が止まり、おそらく私が入れられていたのは箱のような物だったのでしょう。誰かが持ち上げるような感覚がありました。そして、"ごとん"と地面に置かれ、蓋が開きました。

 蓋が開いてすぐに見えたのは、お世辞にも親切な人には見えない男が1人。森の中でしょうか、人気は無く静まりかえっています。おそらく私が力の限り泣き叫んでも助けは来ないであろう状況に絶望しました。

 ・・・まだ、半年くらいしか生きてないのに。なんで?どうして、私が誘拐されて殺されそうにならなきゃいけないの?

 そう思うと自然と怒りがこみ上げてきて、どうせ殺されるならとおもいっきり泣き叫んでやりました。

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