エピローグ
《エピローグ》
エリューシオン王国内にある治安の良い、そこそこ大きな街の片隅にある共同墓地へ白い花束を持った一人の男が訪れた。くすんだ小麦色の髪に、焦げ茶色の瞳を持つ2丁の"魔銃"を装備したひと目にて冒険者と分かる出で立ちの男は、墓地の奥にある小さな墓の前に花束を置いた。
男は、墓の前で静かに眼を閉じて黙祷を捧げる。
「・・・会いに来るのが遅くなって悪かったな、サリア、マリン。」
眼を開いた男は、その墓の中に眠っているであろう故人へ語りかける。
「最近、妙に大人びたお人好しのおじょーちゃんと出会ったんだ。
その子がな、俺の命を助けただけでなく、・・・・・マリンの気持ちを語ってくれたんだ。」
静かな墓地の中には男しかおらず、男の声だけが小さく響く。
「・・・その子の言葉は、マリンとは違ったかもしれねえ。
でも、俺の心はその言葉に救われた。
俺が前を向けるように、背中を押してくれたその言葉を信じてぇ。」
男は、己の胸に下がっている"青い石のペンダント"を握りしめる。
「だからこそ、俺はお前達にもう一度会いに来ることが出来たんだ。
これからも、・・・俺はお前達に会いに来る。絶対に、忘れやしねえ。
だがな、俺も前を向いて歩き出すことを決めちまった。
・・・許してくれとは言わねえ、そっちに行ったときいくらでも文句は聞くぜ。」
男は、小さな墓に背を向け歩き始める。
「・・・また来るぜ、サリア、マリン。」
背を向けて歩き出した男の後ろに、焦げ茶色の髪に青い瞳の女性と少女の姿が見えた。二人は顔を見合わせて幸せそうに微笑み会うと、一陣の風と共に消えていった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
これにて、第2章完結となります。
この後、間章を挟んで第3章へ続けていきたいと思っています。
これからも、どうぞよろしくお願いします。




