赤ちゃんと不穏な影。
赤ちゃんとしてぐんぐんと成長し、半年がたとうとしています。少しずつ目も見えるようになったんですよ。それでわかったことがあるのですが・・・。
なんと、私はお姫様になってしまったようです!びっくりですね、社畜のような前世に比べすごい進化です。でも、どこの国でしょうね。一般的に知っているような国以外の知識が無いのです。まあ、大きくなればそれはわかるでしょう。
それよりも、赤ちゃんの生活というのは自我形成している私にとってなんとも苦行な日々でした。メイドさん達が四六時中監視しているような生活に私のチキンハートは悲鳴を上げていました。そのストレスのせいですかね?熱が頻繁に出て大変でした。おかげで、なんかの宗教の偉い方?に病弱認定されました。でも、まさかあんな事に繋がるとは思わなかったんです。ええ、本当に。
病弱認定されて数日がたちました。
やっと首が据わり、ちょっとずつ活動範囲を増やそうと思いつつも病弱認定のおかげでなかなか思うようにいかないのです・・・。
でも、こんなストレスいっぱいの生活でもいいこともあるんですよ。なんと、私の家族は美人さんばっかりなのです。まだ、自分の顔はよくわかりませんけど。王族のお仕事というのはすごく大変な仕事だと思います。ですが、両親や兄は多忙な予定の合間を縫って私に会いに来てくれるんです。赤ちゃんになって精神的に引きずられているのか、とても嬉しく感じてしまいます。決して、美形を鑑賞して喜んでいるわけではないのですよ。
ただ、今日は様子がおかしいのです。お父様とお母様が会いに来てくれたのですが、少し元気がないのです。周りにいた私付きのメイドさん達も部屋を出るように言われたみたいです。いったいどうしたのでしょうか。
と、考えているとお母様が悲しそうな顔で話し始めました。
「リチャード・・・、申し訳ありません。わたくしがこの子をもっと健やかに生むことができたなら、貴方にあのような事を言わせずに済みましたのに。」
悲しそうな顔をしてうつむいてしまうお母様。そんな顔をして欲しく無くて手を伸ばせばかすかに微笑み手を握り替えして下さいます。
「オリヴィアの責任ではありませんよ。この子の責任でもない事なのですから。教会は王家を昔のように意のままに操りたいだけです。この子をその取引材料としたいのでしょう。」
苦い顔をしたお父様からは静かな怒りを感じます。
「ですが、教会の信者は我が国だけでなく他国にもいます。教会の意のままに動く国もあると聞いています。そのようなもの達が、簡単に引き下がると思えないのです。」
いつもはふんわりとした微笑みを絶やさないお母様が、泣きそうな顔で私を抱きしめます。
「そうですね。王として非情な選択が必要な時が来るかもしれません。ですが、それでも私はできる限り私たちの愛しい子を守りたい。」
お母様と私を抱きしめるお父様はとても苦しそうな顔をされていました。私たちは、しばらく静かにお互いの存在を感じ過ごしました。
つたない文章ですみません。
なかなか赤ちゃん時代が進まないです。もっと、文才がほしいとせつに思います。