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このまま2日おきくらいで更新できるといいなぁ

 初の依頼を終えてから、約束のひと月がそろそろ来ようとしていた。ほぼ毎日ギルドで依頼を受けて、ロイドさんとテレスティナさんからノウハウを教えてもらう日々が続いている。


 泊まりがけの依頼を受けたときは順番で食事を作ったのだが、意外と一番美味しかったのはロイドさんで、反対にローナは料理禁止命令が出た。ローナが初めて作ったときは、美味しくなかった程度だったのが、次に作ったときは近くで見つけた毒キノコを入れようとしていて、たまたまドラゴンの姿に戻っていたクレオが見ていなければどうなっていたことか・・・。



 そして今日はハードボアの討伐依頼で近くの山まで来ている。ハードボアは一見岩が動いている様な姿形をしているイノシシで、その革は私の防具にも使われているものだった。

 いつもの様に私がナイフの投擲で目を狙うのだが、ハードボアの一直線に走る特性を考慮して、すでにローナとロイドさんが進行方向で待機している。テレスティナさんは私が失敗したときを考えて、離れた位置で目を狙えるよう弓を構えていた。


 結果としては、いつも通りナイフはハードボアの目の深くまで刺さり、ローナは右から左へ鎚を振り抜いてハードボアを吹き飛ばし、ロイドさんが止めを刺した。


「タララタッタッタ〜」


 ホウが突然歌い出した。


「ミィおめでとう!!レベルあがったみたいだね!『刃』のまほうの火と風をつかえるよ。」


 やっと魔法が使えると喜んでいると、頭に言葉が響いてくる。


『汝の頑張りにより、ヴルカ大陸の消失がんだ。すでに、あった10もの村々が消失してしもうた。どうか我の愛しき竜達の守る世界をよろしく頼む。』


 どうやら、大陸の消失はずっと続いていたらしい。声の主が気になるが一方的だった。今後はどうなっていくんだろう。

 私がその場から動かないのが気になったのか、みんなが寄って来た。


「ミイコ、どうしたんだ?怪我でもしたのか。」


 ローナが心配して声をかけてきたので、『刃』の火と風の魔法が使えるようになったと話した。


「ふふ、よかったわねぇ。クレオが居たから風の魔法も一緒に覚えたのかしら。それにしても、ミイコちゃんは地力が高いのね。普通は主属性でもこんなに早く使える様にならないのよぉ。」


 テレスティナさんが気になる事を言ってたので聞いたら、ブルカ大陸は火の属性が主属性で強いところなので、火の魔法を多く覚えれるそうだ。その代わり、主属性以外の属性の覚えは遅いそうで、今回はヴェント大陸の精霊であるクレオが長く側にいたので風も覚えたんだろうとのこと。そして、ヴルカ大陸の中でも場所によって主属性以外の属性の量が変わるとも教えてくれた。


 早速使ってみたかったが、


「まほうは形は決まってるんだけど、姿はじゅつしゃのそうぞうりょくにかかってるんだよ。」


 とホウが言っているので、練習が必要そうだった。そして、レベルが上がったせいか少し言葉が流暢になっている。


 そんなわけで、テレスティナさんに頼んで、一緒に訓練所に行ってもらう事にした。

 

 鬼教官再び・・・。


 依頼の途中だったので、再びハードボアを探し、仕留めて町へ戻る事にした。こういう時にかぎってハードボアが見つからないのだ。結局暗くなるまでかかり、魔法の練習は明日になりました・・・ハードボアめ。



 次の日は、テレスティナさんにしごかれつつ何とか魔法を形にする。『風刃ふうじん』は一度見せてもらっているのでイメージしやすかったが、『炎刃えんじん』はどうしても火と刃が繋がらなくて苦心する。その日は訓練所で一日を過ごした。


 ついでに、ギルドでカードの更新をしたところ。



 ヨシザキ ミイコ  


 18歳  女  


 ヒューマン 


 出身地不明


 武闘魔法士 Lv2

 火Lv1 刃  (100%)

 水Lv1    (20%)

 風Lv1 刃  (50%)

 土Lv1    (50%)


 投擲Lv10

 身体強化Lv2

 収納魔法Lv1


 過去の経験が反映されて投擲のレベルが高いところから、この世界に来てから使わないとカードに反映されないことが判明した。

 そして、それぞれの属性の横にゲージが追加されている、この量が各属性の魔法が使える回数の目安で、ヴルカ大陸のドラゴンを持っている私は、この大陸では火属性が無尽蔵に使えるといってもいいそうだ。


 手続きカウンターには、いつもの様にサオリさんがいて『レベルが上がったのでお祝いするわね』と言って、女子会が今度行われる事になった。



 訓練所で過ごしてから2日後、再びハードボアの依頼を受けて近くの山へ向かう。

今日はいつもと雰囲気が違う、魔法を実践するから神経が敏感になっているせいかもしれないが・・・。


「ロイドさん、何かおかしくないですか?小動物の気配が感じられないんです。」


 ロイドさんはしばらく考え込んで。


「俺は何度かこんな感じの時を知っているんだが、引き返したほうが良いかもしれない。」


 それを聞いていたテレスティナさんが、注意をうながす。


「ハードボアの上位種のワイルドボアね。風上に居るようだから、クレオが感知出来たのだけど・・・逃げる間はなさそうねぇ。」


 私もすぐに、こちらに向かってくる大型の動物の気配を感じる。現れたのは象の様なサイズのハードボアだった。


ほむらやいばとなりてき切れ、炎刃えんじ


 ガントレットの先に5センチほどの炎で出来た刃ができる。身体強化もかけ、迎え撃つ準備は整った。


 まずテレスティナさんが『風刃』を牽制で放ち、ワイルドボアがたたらをふんだところで、私は跳び上がり左目に向けて拳を叩き付ける。炎の刃が目を傷つけ、肉が焼けた臭いがする。すぐさまワイルドボアの右目側に跳び、注意を引きつける。


 ビギャーッッ


 ワイルドボアが叫び、前足をあげつつ頭を振って鼻で攻撃してこようとする。

そこを反対側からローナが後ろ足を狙って鎚を振り抜く、ワイルドボアは巨体を支えられなくなり横倒しに、ロイドさんがすかさず足を斬りつけ起き上がれないようにした。

 

 あとは皆で攻撃を加えていけば数刻後には、ワイルドボアの魂はホウとクレオのお腹に入っていった。


「今回は連携がうまくいったが、通常は白が半分を占めるパーティーは逃げて普通だ。毎回こんなにうまくいくとは言えない、引き時を間違えるなよ。」


 ロイドさんよりお叱りを受けました。

 

 今回は逃げる間がなかったが、牽制だけして、撒く方法もとれる。

つい、魔法が使いたいばかりに好戦的になってしまってたし・・・。

 どうしようも無いときは覚悟を決めるしかないが、それは運が悪かったとしか言えないんだろうなぁと思っていると。


「兄貴、急に遭ったら無理だろう。逃げるほうが難しいって。」


 ぼかっ


「ばかか、それが出来てこそ一人前だ。ほんとにお前は・・・」


 ローナはまた頭を抱えていた。相変わらずだなぁ、叩きすぎて脳筋になってきてるんじゃないか。



 無事戦闘を終えたがワイルドボアが他にもいないとは限らないので、ワイルドボアを処理せず収納して、ギルドに報告に戻る事にした。


 ギルドで報告すると、例年に無い事なので上位冒険者を派遣して調査しますとなった。ワイルドボアはそのまま買い取ってくれて、金2枚という大金に格上の相手だったと改めて感じる。

 

 山も一時入山禁止なので、受けた依頼は解約金免除で解消になった。


 魔法が使える様になって、手数が増えるようになったと今回改めて思う。あとは、使いこなせるよう実戦あるのみ!


 今日は、無事生還できた事と臨時収入があったので、久しぶりにレットベアーへ行く事になった。


 サオリさんの絡み酒も今日はあえて絡まれてあげることにするかな。


戦闘が難しい・・・

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