第三話
・
・
・
「えー、、、ここの公式は、覚えるようにだな、、、」
「・・・はぁ・・・」
あーあ、退屈だなー・・・あの先生、真面目だから面白みがないんだよなーもっとこう・・・ね・・・
『ここの公式は、テストによく出るから覚えとくといいぞよ☆』
的な・・・・んー・・・やっぱり気持ち悪いからいいや(汗
自分で想像して自分で否定することをしてるくらい退屈そうにしている雪成は、学校の授業を受けている最中だった。
あっ、、、
雪成の目線は、斜め前の男の子に向けた。
・・・いつ見ても、かっこいいなぁ・・・
その男の子の名前は、竹中 直樹、雪成の好きな人だ。
雪成は直樹に片思い中で、”告白”というものはしてなく、ただ離れて観ることが多かった。
そんな雪成を隣にいた友達の茜がニヤニヤしながらその様子を見ていた。
・
・
・
<休み時間>
「ねえ、雪成。」
茜は雪成に話しかけた。
「ん?なに?」
「直樹のこと・・・好きでしょう?」
ドキッ・・・
「はい?」
突然のことで聞き直してしまった
「女子と男子の一部の人はみんな知ってるよー」
「えっ・・・!?」
うそだ、、、だって、、、誰にもそんな事言ってないはず、、、
「まっ!雪成はわかりやすいからね。見ててわかる。」
「いや、、で、、、も、、、」
「なになに?」
「なんの話してるの?」
友達が二人、茜と雪成の話が気になって寄ってきた。
「あー直樹のこと。」
茜はさらりとその友達たちに言った。
「ああ!雪成、直樹のこと好きだもんねっ!!」
「ちょっ、、、ちがっ、、、!」
なんで・・・なんで・・・っ
「まじでっ!?今の聞いちゃった!!」
うっ、、、そ、、、
「あっやばっ・・・学年で一番の噂好きのやつに聞かれちゃった・・・」
友達は、しまったという顔で雪成をちらっと見た。
「おーーーい!!直樹!!」
直樹は自分の名前を呼ばれたことに気づき、その子の方に目線をやった。
「やめ、、、て、、、」
お願いだからっ、、、直樹くんにだけには言わないでっ、、、!!
しかし、雪成の願いは届かなく、、、
「相模がお前のこと好きなんだってよっ!!」
おわっ、、、た、、、
教室にいたクラスメート達がざわざわし始めた。
「まじかよっ!!?」
「あの相模が?」
男子たちは、驚きながらもどこか楽しそうだった。
「はぁ?冗談やめろよ。仮に相模が俺のことが好きだって言っても、俺はこんないつもヘラヘラしている男女に言われても嬉しくねぇーよ。」
直樹は笑いながら言った。
そんな、言葉が雪成の心を傷つけた。
やばい、、、泣きそう、、、
「あー雪成ごめん~」
友達は笑いながら謝った。本気で謝ろうとしていなかった。
、、、なに、笑ってるの?ちゃんと謝ってよ、、、ひどいよ、、、
そして、茜はこの状況をみて平然と、
「仕方ないから、この際マジで告白すれば?」
雪成は・・・絶望した。
友達だと思ってた人達がこうも自分を心配してくれなかったことを、、、それは雪成にとって悲しい現実だった、、、。