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第八章:四人での夕食会

今回は四人での楽しい夕食会になります!

果たして修羅場になってしまうのか!?

ぜひ読んで確かめて見てください!

最強の女執事、最強の剣聖、諜報員の叔母、

ポンコツ令嬢の四人がついに集結してしまった。

果たしてまともな夕食会になるのか……


「さあ!」

「皆食べましょう!」

アリシアは同居人が増えて大喜びだ。


「おうよ!」

「晩さん会じゃ!」

ガランドも久しぶりに、

テンションが高くなっている。


「はぁ……」

「ずっとこのテンションなの……」

「いい加減疲れない?」

ベアトリスは疲れ果ててきた。

ワインを飲んで現実逃避する。


「アリシア様」

「こちらのシチュー」

「チーズ入りポテトサラダは私が作りました」


「ばあさんは何もしてません!」

シアンは珍しくワインを飲んでいるが……

強いのだろうか……


「いやいや」

「ポテトサラダは私が作ったんだけど……」

「……もう好きにして」

ベアトリスはツッコミを入れる気力もなくなる。


「叔母さん」

「悲しまないで」

「あーんしてあげるから!」

アリシアは相変わらず距離感がおかしい。


「……ありがとう」

「もう叔母さんって、」

「堅苦しい言い方はやめない?」

ベアトリスは心を開き始める。


「えー!?」

「じゃあ何て言えばいいの?」


「……ベアでいいわ」

恥ずかしいのかジャガイモを、

食べながら誤魔化すように言う。


「ベア……」

アリシアは恥ずかしそうに名前を呼ぶ。


「エ、アリシア」

「それで平気よ」

危うくエミリーと言いかける諜報員。

それでいいのか……


「ばあさん馴れ馴れしいぞ」

「暖炉に転移だな!」

ワインを飲みながら笑い始める。


「シアン?」

「ベアをいじめたから……」

「今日は一人で寝てね」

容赦の無い主からの命令が下される。


「そ、そんな……」

「……かしこまりました」

シアンはこの世の終わりのような顔をする。


「オホホホ!」

「足元をすくわれたわね」

「これが諜報員の力よ!」

ベアトリスも調子に乗ってしまった……


「え?」

「ベアは諜報員なの?」

アリシアは騙されていたと驚愕する。


「あっ……」

ベアトリスはやらかしたと考えて、

姪っ子には嫌われたくないと思ってしまう。


「油断したな!」

「ババア!」

「酒なんか飲んで、」

「話すからだ!」

シアンはワインを一気飲みする。


「あなたも飲んでるじゃない!」

「いつもと様子が違うわよ……」

ベアトリスはもういい加減疲れてきていた。


「アリシア様」

「ベアトリスの正体は、」

「わかったでしょう?」


「こんな危険人物を、」

「側に置いてはいけません」

「早く追放しましょう!」

シアンは普段以上に熱弁をふるう。


「シアン」

「大丈夫?」

「飲み過ぎよ」

「……お酒弱いんだから」


「アリシア様」

「しゅき……」

急に語尾がおかしくなる。


「ベア」

「これ完全に出来上がってるよね?」


「全くもってその通りだわ」

「放置するのも問題ね……」


「おじいちゃんは平気なの?」

アリシアは念のために聞くが……


「おう!」

「わしは酒に強いからな」

「ボトルどころか樽ごと飲めるわい!」

ガランドはボトルに口をつけて、

そのまま豪快に飲んでいる。


「シアン」

「立てる?」


「愛してましゅ……」

「アリシア様」

「いつも麗しいです」

「結婚しましょう~」

面倒くさい酔っ払いが完成してしまった。


「あなた……」

「完全におかしくなってるわね」

「……アリシア」

「シアンはこれから酒禁止よ」

ベアトリスはすかさず禁止令を提案する。


「そうね……」

「重症だわ」

「シアンだけお酒禁止令を発令します」

シアンに宣言する。


「いやでしゅ!」

「アリシア様、酷いですよ」

「こんなセカイ滅亡させます~」

「あんなにも愛し合ったのに……」

シアンはアリシアに情けなくすがりつく。


「……哀れな孫じゃな」

ガランドは呆れ果ててしまう。


「もはや妄想と現実が、」

「わかってないわね」


「ベアどうしたらいいかな?」


「そうね……」

「……自室に連れて行きますか」


「二人がかりで?」


「そうなるわね」


「じゃあ運びましょう」

「おじいちゃんは飲んでて!」


「おうよ!」

「何かあったら」

「叫んでくれ!」

「駆けつけるぞ!」


「よっこらせっと……」

「……重いわね」

ベアトリスは腰痛にならないように、

注意しながら運ぶ。


「シアンは筋肉すごいからね」


「なんで知ってるの?」


「一緒にお風呂入ったりしてたから……」


「よくシアンの理性が持ったわね……」


「う~ん、確か……」

「鼻息が少し荒かった時があったわ」


「納屋であんなに情熱的にキスしたの」

「忘れたんですか~」

「……酷い」

シアンは二人に抱えて運ばれながら、

話を続ける。


「これは?」

ベアトリスはおかしいと思って、

アリシアに聞くが……


「絶対に違う人ね」

「そもそも納屋はうちにないわ」

完全に別の記憶だったことが明らかになる。


「ボロが出たわね」

「さあ着いたわよ」

部屋を開けてベッドに、

寝かせようとするが……


「ぎゃー!」

「離れなさい!」

シアンはベアトリスを締め上げるかのように、

抱きしめる。


「どうして拒絶するんでしゅか!」

語尾が完全におかしくなっている。


「アリシア助けて!」

「死ぬ~」

ベアトリスは窒息しかけている。


「ベアから離れて!」


「ばあさんに嫉妬したんですか?」

「可愛いですね」

シアンはベアトリスの頬をなで始める。


「この女面倒くさすぎるわ」

「アリシア」

「何かキツいことを言いなさい!」

ベアトリスは押し返そうともがき続ける。


「もう照れちゃって……」

「仕方の無い人ですね~」

シアンは顔を寄せ始める。


「やめてー!」

「あんたとはキスしたくない」

ベアトリスは必死に、

拘束から逃れようとする。


「シアン!!!」

「いい加減にしなさい!」

「あなた浮気したでしょ?」


「隠れて納屋で誰とキスしてたの?」

「答えないと家から叩き出すわよ」

「そして二度と家の敷居をまたがせません」

悪役令嬢顔負けの演技力だ。


「嫌です!」

ベアトリスをベッドに放り投げて、

アリシアにすがりつく。


「それは……」

モジモジするシアン。


「答えなさい」

「シアン」

「これは命令よ」

冷酷に告げるアリシア。


「……はい」

「十二歳の時に……」

「ミカと……」


「ミカは初恋の人でした……」

「……もう会えないんです」

アリシアのお腹に顔を埋めて、

泣き始めるシアン。


「辛かったわね」

「大切な思い出を、」

「話してくれてありがとう」


「はい……」

バタッと音を立てて、

シアンは寝落ちする。


「おやすみ、シアン」

おでこに優しくキスして、

部屋から出るアリシア。

ベアトリスも続く。


「アリシア」

「優しいわね」


「そんなことないわ」

「明日謝らなきゃ」

「酷いこと言ったし」


「まあ私はどっちでもいいと思うわ」


「ベア」

「諜報員ってどういうこと?」

忘れないうちに問い詰める。


「そ、それは……」

冷や汗をかき始める。

「あとで話すわ」

「……信じて」


「わかったわ」


「もう今日はお開きにして……」

「寝ましょうか」


「片付けは私がするわ……」

ベアトリスは気まずい空気を和ませようとする。


二人は食堂に戻ると……

ガランドはまだ酒を飲んでいた……


「おじいちゃん」

「そろそろ寝るね」

「疲れたし」


「おう!」

「おやすみ」

「片付けはわしがやっとおくぞ」

「お前たち二人はやすめい!」


「……ではお言葉に甘えて」


「ありがとう!」

「おじいちゃん!」


「気にするでない」

やけに陽気なガランドであった。

こうして滅茶苦茶な夕食会は、

終わりを迎えた。


シアンの悲しい過去が明らかになりました。

ベアトリスもアリシアに問い詰められて、逃げられません。

ベアトリスは叩き出されてしまうのか……

次回もご期待ください!

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