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リナの『希望の光』が、胸の奥を揺らした。〜金髪に空手着の彼女と、僕の恋の始まりの予感〜

作者: 凪透
掲載日:2026/05/06

中学の書初めの日から始まります。

静かな距離の始まりと、高校での揺れを描いています。

くっつく一歩手前の、甘酸っぱい空気感を楽しんでいただければ幸いです。

 教室の床に新聞紙が広がっていた。

 長半紙がゆっくり空気を吸って、

 墨の匂いが少しだけ重くなる。


 転校してきたばかりのリナは、

 手ぶらのまま歩き出したり、

 また立ち止まったりしていた。


 置き場所を探すみたいに視線だけが動いている。

 誰も声をかけない。

 書初めの道具を持ってきていないことに 気づいているのは、

 たぶん俺だけだった。


 筆を置いた瞬間、

 指先に残った墨の重さだけが やけに静かだった。

 今年の字は迷わなかった。

 長半紙の黒さが、

 まだ乾かないまま呼吸している。


 片付けようと立ち上がったとき、

 リナがまた同じ場所で立ち止まっていた。

 長半紙を持つクラスメイトたちの間を うまく通れずにいる。

 気づけば、道具を持ったまま歩き出していた。


「……使う?」


 差し出した筆と硯を見たリナが ゆっくり顔を上げた。

 初めて見る目の色だった。

 驚きと、 助かった気持ちと、

 それでもまだ距離を測っている静けさ。


 両手でそっと受け取った。

 その仕草だけで、

 大事に扱う子なんだと分かった。


 長半紙を広げる手が、

 少し震えていた。

 書き終えたリナの紙は、

 まだ乾かない墨の黒さが どこか澄んで見えた。

 その静けさだけで、

 この子がただ者じゃないことが分かった。


 返された筆は、

 さっきより少しだけ温かかった。

 あの日の黒さと温度だけは、

  時間が経っても薄れなかった。


 リナの指先に残った墨の香りが、

 どこか寺の朝の空気に似ていた。

  理由は分からないまま、

 その感覚だけが胸に残った 。


 昼休みのざわめきの中、

 リナは友達に囲まれて弁当を広げていた。


 笑い声が上がるたび、

 金髪がゆるく揺れる。

 その揺れを、

 俺は教室の端からなんとなく眺めていた。


 友達のひとりが何かを言うと、

 リナは軽く返しながら、

 視線を横へ流した。


 俺のほうを見たわけじゃない。

 ただ、昼の空気がわずかに変わった気がした。


 チャイムが鳴り、

 席を立つ音が重なる。

 新入生歓迎レクのために、

 クラスの皆が廊下へ流れ出した。


 横の男子が肘で俺をつつく。


「なあ、蓮、なんでそんな“悟りの境地”みたいな顔してんの」


「してない」


「いや、してた。なんか昼休みで一皮むけたみたいな」


「むけてない」


 前の女子が振り返る。


「蓮くん、さっきリナさんち目合ってたよね?」


「合ってない」


「ほら、三択のひとつ出た」


 廊下に出ると、

 一年生の流れがゆっくり進み始めた。


 男子の集まりの後ろのほうにいる俺の横で、

 女子のほうも同じ速度で進んでいく。


 そのいちばん後ろあたりで、

 金髪がふわりと揺れた。


 リナだ。


 距離があるのに、

 その揺れだけはすぐに分かる。


 横の男子が小声で言う。


「おい蓮、今ちょっと見たろ」


「見てない」


「いや、見てた。

 あの人、後ろのほうでも存在感あるよな」


 前を歩く女子が振り返る。


「リナさんって、遠くにいるのに目立つよね。

 なんか……空気が違う」


「違わないだろ」


「いや、違うよ。あれはもう“出番前”の人の空気」


 体育館の入口に着いた。


 生徒たちが上履きを脱いで、

 壁沿いに静かに並べていく。


 俺も流れに合わせて上履きを脱ぐ。

 靴下越しの床は、

 思ったより冷たかった。


 クラスごとの場所に腰を下ろすと、

 体育館特有の反響が、

 ゆっくりと耳に広がった。


 そのとき、

 女子の集まりのいちばん後ろあたりで、

 金髪が静かに揺れた。


 リナが腰を下しただけで、

 その周囲のざわめきが薄くなるように感じた。


 横の男子がまた言う。


「なあ蓮、あれ絶対“ステージ側”の人だよな」


「違うだろ」


「いや、違わない。存在が演目」


 前の女子が笑う。


「蓮くん、否定しかしないのに、なんか優しいよね」


「知らない」


「ほら、四択目も出た」


 ――ざわめきが少しずつ遠ざかる。


 生徒会の男子がマイクを握り、

 体育館のざわめきがゆっくり沈んでいった。


「それでは、新入生歓迎レクリエーションの五限プログラム――

 部活動紹介に移ります。最初は、空手部です」


 その声が反響に吸い込まれると、

 ステージ前に空手部の上級生たちが静かに並んだ。


 リナは女子の列の後ろのほうで、

 ブレザーの袖口から、

 カーディガンの萌え袖を少し覗かせながら座っている。


 空手部の主将が一歩前に出て、短く礼をした。


「空手部は、六限に演武を行います。

 ぜひご覧ください」


 その言葉で、

 体育館の空気がわずかに締まった。


 空手部が下がると、

 次の部活がステージに上がる。


 吹奏楽部の演奏が少しだけ流れ、

 美術部の展示が紹介され、

 陸上部の映像がスクリーンに映る。


 部活が入れ替わるたび、

 体育館の空気がゆっくり形を変えていった。


 リナはそのたびにブレザーの袖を軽く押さえたり、

 萌え袖を直したりしていた。

 特に意味のある仕草ではないのに、

 視界の端で静かに揺れる。


 いくつもの紹介が続き、

 生徒会の男子が再びマイクを取る。


「以上で、五限の部活動紹介を終わります」


 その声が反響に溶けると同時に、

 ざわめきが一気に戻ってきた。


 立ち上がる生徒、

 友達と話し始める生徒、

 列を崩してトイレへ向かう生徒。


 床の振動が、

 いろんな方向へ散っていく。


 俺も立ち上がろうとしたとき、

 視界の端で金色が揺れた。


 リナが、

 こちらを見ていた。


 ブレザーの袖口から、

 見慣れた萌え袖(※説明はもういいか)が少し覗いていて、

 その指先が、くい、と俺のほうへ動いた 。


 声は出していない。

 でも、呼ばれたのが分かった。


 リナの指先がくい、

 と動いたあと、

 彼女は立ち上がり、

 ざわめきの中をすり抜けるように歩き出した。


 俺も遅れて立ち上がる。

 周囲の生徒が勝手に道をあけていく。


 体育館の出口へ向かう途中、

 リナは一度だけ振り返った。

 萌え袖(略)が揺れて、

 “ついてきて”と言うみたいに指先がちょい、

 と動いた。


 体育館の扉を抜けると、

 外の空気がひんやりしていた。

 さっきまでの熱気がまだ背中に残っている。


 リナはそのまま渡り廊下へ向かう。

 屋根の下を通る風が、

 制服の裾をわずかに揺らした。


 歩きながら、

 リナがふっと振り返る。


「六限、演武なんだよね。武道場、向かうよ」


 言い方はあっさりしているのに、

 どこか柔らかい。

 “ついてきて”をそのまま言わない抜け感。


 通路に落ちた光の上を、

 リナの影が静かに伸びていく。


 体育館のざわめきはもう遠い、

 代わりに、

 武道場のほうから流れてくる

 静かな空気が少しずつ濃くなる。


 武道場の前に着くと、

 リナは引き戸の前で立ち止まった。


「ここで待ってて。

 すぐ着替えるから」


 萌え袖(略)を軽く押さえて、

 リナは扉を開ける。

 中から、道場特有の静けさが少しだけ漏れた。


 扉が閉まると、

 外通路の空気が急に広く感じた、

 体育館のざわめきはもう遠い。

 風が通路の端をかすめていく。


 しばらくして、

 カシ、と引き戸がわずかに動いた。


 白い気配がふわりと漏れる。


 リナが姿を見せた。


 さっきまでのブレザーも、

 萌え袖(略)もない。

 道着の白は、

 光をそのまま跳ね返すみたいに静かだった。


 髪はうなじのあたりでひとつに纏められていて、

 結び目の下にだけ、細い影が落ちていた。


 リナは一瞬だけ、

 まっすぐこちらを見た。


 その視線に、

 “誰に見せたいのか”が自然と分かる。


「ごめん、待ったよね」


 声は静かだけど、

 ちゃんとこちらに向いている柔らかさがある。


 帯の結び目が、

 歩き出す前にほんのわずか揺れた。

 その動きだけで、

 さっきの“くい”とは違うことが分かる。


 でも、目だけはいつものリナだった。


「行こ。六限、始まるから」


 道着の白が通路の光を切り取るように揺れて、

 リナは歩き出した。


 俺はその後ろをついていく。


 体育館が近づくにつれて、

 中のざわめきが少しずつ戻ってきた。

 武道場の静けさがまだ耳の奥に残っていて、

 その音がどこか遠くに感じる。


 体育館の入口で、リナがふっと立ち止まった。

 振り返るでもなく、確かにこちらへ向けた気配だけがある。


「蓮は、席戻ってて。……ちゃんと見ててね」


 その一言が、

 さっき道着姿を見せたときの視線と同じ温度をしていた。


 リナはそのまま、空手部の集合場所のほうへ歩いていく。

 帯の結び目が、歩くたびに小さく揺れた。

 俺は体育館の中へ戻る。


 扉を押すと、

 広い空気がふっと広がった。

 さっきまでと同じざわめきのはずなのに、

 どこか薄く感じる。


 席に戻ると、

 クラスの何人かがこちらを見たが、

 特に何も言われなかった。

 五限と六限のあいだの、

 ただの移動時間の延長みたいなものだ。


 ステージ前では、

 生徒会の男子がマイクを持って進行の確認をしていた。

 照明が少し落とされて、体育館の中央だけが明るい。


 その光の中に、

 さっきの“白”が立つのを自然に想像してしまう。


 六限の始まりを告げるチャイムが鳴った。


 ざわめきがゆっくり沈んでいく。

 生徒会の声が響く。


「六限は、部活動紹介の続きです。

 最初の発表は――空手部の演武です」


 体育館の扉が開く音がした。


 白い影が、列になって入ってくる。


 その中に、武道場で見た“白”が確かにいた。


 リナは前を向いたまま、

 ただ、ほんの一瞬だけ、

 こちらに視線を寄せた気がした。


 気のせいかもしれない。

 それでも、

 気のせいじゃないようにも見えた。


 体育館の中央に、白が並ぶ。


 静けさが落ちる。

 演武が始まる。


 生徒会の声が消えると、

 体育館の中央に立つ白い列が、

 ゆっくりと動いた。

 先頭の三年らしい男子が一歩前に出て、

 全員がそれに合わせて足を揃える。


 その動きだけで、

 空気が少し閉まった気がした。


「礼」


 短い声が落ちた。

 白い列が、同じ角度で静かに腰を折る。


 リナもその中にいる。

 背筋がまっすぐで、

 動きに迷いがない。


 礼が終わると、

 全員がゆっくり顔を上げた。


「構え」


 足が開き、

 重心が落ち、

 腕が静かに上がる。


 リナの構えは、

 初めて見るはずなのに、

 どこか“らしい”と思えた。

 静かで、

 迷いがなくて、

 軸が通っている。


「はじめ」


 右足が前へ出る。

 床が鳴り、

 その音が体育館に吸い込まれていく。


 腕が弧を描き、

 腰の回転が力に変わる。

 肩の力は抜けているのに、

 動きの中心だけは揺れなかった。


 静止が落ちる。


 そこから、

 左足が間へ滑る。

 腕が鋭く伸び、

 視点が一点を射抜く。

 白い布の影が跳ね、

 光が遅れて追いつく。


 気づけば、

 ずっとリナを見ていた。

 リナはそのまま、

 次の方向へ体を切り替える。


 右へ。

 前へ。

 左へ。


 足が回り、

 腰が沈み、

 腕が流れる。


 動きが速いのに、

 中心がぶれない。

 切り替わるたび、

 空気が細く裂けるようだった。


 呼吸が浅くなり、

 また深くなる。

 その揺れさえ、

 軸の中に収まっているように見えた。


 中盤に入っても、リナの動きは崩れない。

 むしろ、芯が強くなっていく。

 空気が止まる。


 最後の動きに入る前の、

 あの独特の静けさ。


 リナの足が沈み、

 視線がまっすぐ前を射抜く。

 体の中心に、一本の線が通っているようだった。

 白い布が鋭く走った。


 正拳。


 床が小さく鳴り、

 その音が体育館の奥まで届いた気がした。


 腕が伸びきったところで、

 動きが止まる。

 揺れも、迷いもない。


「礼」


 短い声が響く。


 白い列が、

 同じ角度で静かに腰を折った。


 リナもその中にいる。

 最後まで、芯が揺れなかった。


 礼が終わると、

 白い影がゆっくり顔を上げた。


 体育館の空気が、

 少しだけ戻ってくる。

 空手部が中央から退場の列を作り始める。

 白い影が、ゆっくり動き出す。


 リナもその中にいた。

 歩き出すときの足取りも、

 さっきまでの動きの延長みたいにぶれがなかった。


 席に座ったまま、

 その背中を目で追っていた。


 列の流れの中で、

 リナがふと振り返る。


 ほんの短い間だった。

 けれど、確かに目が合った。


 胸の奥が、

 さっきよりもはっきり跳ねた。

 リナはすぐに視線を戻し、

 空手部の列に合流していく。


 体育館のざわめきが、

 少しずつ戻ってくる。


 呼吸がうまく整わない。

 さっきの動きの芯が、

 まだ内側で響いていた。



 空手部の白い列は、もう扉の向こうへ消えていた。

 さっきまで中央にあった静けさだけが、

 まだ薄く残っている。


 前のほうで、生徒会の声が響いた。


「では、次のプログラムに移ります」


 体育館のざわめきがゆっくり戻り始める。

 椅子の軋む音や、小さな息の音が広い空間に散っていった。


 そのとき、後ろのほうで椅子がわずかに動いた。


 振り返分かった。戻ってきたんだ、と。


 次の瞬間、横に影が落ちた。

 空いていた席に、自然に腰を下した気配。


 息を整えたばかりの静けさが、

 すぐ隣に落ち着く。


「……お疲れ」


「うん。ありがと」


 短いやりとりが落ち着いたころ、

 前のほうで卓球部の紹介が始まった。


 的に向かって球が飛ぶ。

 ぱん、と軽い音が響く。


「……当てるんだ、あれ」


 思わず声が漏れた。


 横の気配が、

  小さく笑ったように揺れた。


「先輩たち、あれ得意なんだよ」


 次はバド部。シャトルが高く上がって、

 狙ったところにすっと落ちる。


「速っ……」


「ね」

 俺は前を向いたまま見ていた。

 横の気配も、同じ方向を向いている気がした。


 俺は前を向いたまま見ていた。

 横の気配も、同じ方向を向いている気がした。


 バド部の拍手が落ち着くと、

 前のほうで生徒会の声が響いた。


「続いて――吹奏楽部です」


 ざわめきが少しだけ静まる。

 金属の軽い音が、準備の合図みたいに散っていった。


 最初の音が鳴った。

 空気が一度だけ震えて、

 そのまま広がっていく。


 横の気配が、

 その音にそっと合わせるように落ち着いた。


 短い演奏が終わると、

 拍手がゆっくり広がって、また静まった。


 その余韻の中で、

 前のほうに立つ生徒会の影が動いた。


「以上で――本日の新入生歓迎レクリエーションを終了します」


 声が体育館の天井に柔らかく響く。

 ざわめきが少しずつ戻り始めた。


 横の気配が、

 小さく息をついた気がした。

 張っていたものがほどけるような、

 そんな静かな呼吸。


 俺は前を向いたまま、

 その落ち着きだけを感じていた。


「席を立つ前に、担任の先生の指示に従ってください」


 生徒会の声が続く。周りの椅子がばらばらと動き始めた。

 横の気配も、ゆっくり立ち上がる準備をしているようだった。


 周りの椅子がばらばらと動き始めたころ、

 担任の声が後ろのから届いた。


「おーい、席勝手に動くなよー。

 今日はいいけど、次から気をつけろよ」


 軽い調子だった。


 列が動き出す。

 椅子の脚が床をこする音が、

 体育館の広さに薄く散っていく。


 出口へ向かう流れに載って歩く。

 扉を抜けた瞬間、空気が変わった。

 体育館より少し冷たくて、動きのある廊下の温度。


 横の気配も、

 その空気に触れたように呼吸がわずかに変わった気がした。


 廊下の空気は、体育館より少し冷たかった。

 人の流れがゆっくり動いていて。

 その中に紛れるように歩く。


 横の気配が、

 歩幅を合わせるみたいに近かった。


「……お疲れさま」


 リナが小さく言った。

 声というより、息に近い。


「うん。そっちこそ」


 それだけで会話は途切れた。

 けれど、途切れたままでもどこか落ち着いていた。


 少し先で、クラスの列がゆるくまとまっていくのが見えた。


 そのとき、

 リナの気配がふっと前に出た。

 歩幅が少しだけ速くなる。


 追いかけようと思えば追いつける距離だった。

 でも、俺は前を向いたまま歩いた。

 足が、わずかにためらった。


 気づかないふりをした。

 そうしておくほうが、

 いまはちょうどよかった。


 リナの背中が、人の流れに紛れていく。


 その少し前を歩く影を、

 見ていないふりをしながら、

 ちゃんと見ていた。


 教室に戻ると、

 夕方の光が机の上に薄く伸びていた。

 人の気配はあるのに、体育館よりずっと静かだった。


 自分の席に腰を下ろす。

 椅子が軽く沈んで、

 その感触でようやく落ち着いた。


 そのまま何事もなくHRが終わり、

 気づけば放課後になっていた。


 教室の空気がゆっくり緩んでいく。

 帰り支度の音があちこちで小さく鳴って、

 窓の外の光が少し傾いていた。


 バッグに教科書を入れていると、

 横の気配がふっと近づいた。

 息を整えるみたいな気配が、すぐそばにあった。

 振り返る前に分かった。

 リナだ。


「もう帰るんだ」


 問いというより、

 確認みたいな声だった。

 言い方の奥に、ためらいが少しだけ残っていた。


「うん。そろそろ」


 ファスナーを閉める音が、

 そのまま返事の変わりになった。


 リナは少しだけうなづいて、

 視線を扉のほうへ向けた。

 言い出す前の、小さな息の揺れがあった。


「じゃあ……一緒にでよ」


 言い切るというより、

 自然にこぼれた感じだった。


 立ち上がると、

 リナも同じタイミングで歩き出した。


 言葉はそれ以上いらなかった。

 足音がそろっただけで、もう十分だった。


 校舎を出ると、

 夕方の空気が少し冷たかった。

 昼間の熱が抜けていく途中みたいな温度で、

 息が軽く揺れた。


 リナは横で、歩幅を合わせるみたいに静かに歩いていた。


「今日、疲れたね」


 リナがぽつりと言った。

 感想というより、

 外の空気に触れた拍子にこぼれたみたいな声。


「うん。いろいろあったし」


 それだけで会話は一度止まった。

 けれど、止まったままでも気まずさはなかった。


 校門へ向かう影が二つ、

 ゆっくり伸びていく。


「……でも、なんか、よかったよね」


 リナが続けた。

 何が、とは言わなかった。

 言わなくても伝わる距離だった。


「まあ、そうだな」


 俺もそれ以上は言わなかった。

 言葉より、並んで歩く静けさのほうがしっくりきた。


 夕方の光が、

 二人の影を少しだけ重ねた。


 校門を出ると、

 外の空気が少しだけ冷たかった。

 夕方の光が低くて、影が長く伸びていく。


 リナは横で、

 歩幅を合わせるみたいに静かに歩いていた。


 しばらくは何も話さなかった。

 校舎のざわめきが遠ざかって、

 足音だけが並んで続いた。


「……今日さ」


 リナが小さく言った、

 前を向いたまま、

 声だけがこちらに寄ってくる。


「うん」


 返事をすると、

 リナは少し息を整えるみたいに間を置いた。


「なんか、変だったよね。いろいろ」


 “変”が何を指しているのか、

 言わなくても分かった。


「まあ……そうだな」


 それ以上は言わなかった。

 言葉にすると、どこか違う気がした。


 リナはうなづいた。

 その動きが、夕方の光の中で静かに揺れた。


「でも……嫌じゃなかったよ」


 小さく、けれど確かに聞こえる声だった。


 俺は前を向いたまま歩いた。

 歩幅が自然にそろっていく。


「……そうか」


 それだけ言った。

 胸の奥が、少しだけ熱くなるのを誤魔化した。

 それ以上の言葉は、

 まだどこにも置けなかった。


 二人の影が、

 帰り道のアスファルトの上で気づけば、

 少しだけ重なった。


 住宅街に入ると、

 車の音もほとんどなくて、

 足音だけがゆっくり響いた。


 リナは横で、さっきより半歩だけ近かった。

 気のせいと言えば気のせいの距離。


 沈黙は続いていたけれど、

 どこか甘くて、

 ほどける前の飴みたいに静かだった。


「ねえ」


 リナが小さく言った。

 呼びかけというより、思わず漏れたみたいな声。


「ん?」


 返すと、

 リナは一度だけこちらを見て、

 すぐ前に視線を戻した。


「……なんでもない」


 言いかけて、そのまま飲み込んだ。


 けれど、

 その“なんでもない”の温度が、

 どう考えても“なんでもなくない”感じで。


 歩幅がそろうたびに、

 その気配だけが静かに寄ってきた。


 リナは前を向いたまま、

 袖の先を指で少しだけいじっていた。

 癖なのか、照れなのか、

 判断がつかないくらい自然に。


「……別に変なこと言おうとしたわけじゃないよ」


 小さく付け足す声が、

 夕方の空気に溶けていった。


 俺は前を向いたまま歩いた。

 気づかないふりをしながら、

 ちゃんと気づいていた。


 家の近くに差し掛かると、

 街灯がぽつぽつと灯り始めていた。

 夕方の光と夜の気配が混ざる時間で、

 影が少しだけ濃くなる。


 リナは横で、さっきよりさらに半歩だけ近かった。

 寄ってきたというより、気づけばそうなっていた距離。


「……あのさ」


 リナがまた小さく言った。

 声は出たのに、

 言葉の続きが追いつかないみたいな間があった。


 俺が横を見る前に、

 リナは視線を足元に落とした。


「えっと……その……」


 言いかけて、

 また飲み込む。


 半歩はそろったままなのに、

 言葉だけがどうしても前に出ない感じだった。


「……やっぱ、いいや」


 リナはそう言って、前を向いた。

 けれど、耳の先がほんのり赤かった。


 沈黙が戻った。

 でも、

 さっきまでの沈黙とは違って、どこかくすぐったい。


 家の角が見えてきたころ、

 リナがもう一度だけ息を吸った。


「ねえ、蓮」


 名前を呼ぶ声が、

 さっきより少しだけ強かった。


 続きが来ると思った。けれど――


「……ううん、なんでもない」


 また飲み込んだ。


 その“なんでもない”が、

 どう考えても“なんでもなくない”温度で、

 胸の奥が少しだけざわついた。


 気づかないふりをしながら、

 ちゃんと気づいていた。


 家の角を曲がると、

 リナの家の門灯が見えてきた。

 夕方の光がほとんど消えて、

 街灯の白さだけが二人の影を薄く伸ばしていた。


 歩幅が自然にゆっくりになる。

 終わりが近いと分かっているみたいに。


「……ここまでだね」


 リナが小さく言った。

 声は落ち着いているのに、

 どこか名残惜しさが混ざっていた。


 俺はうなづいた。

 それだけで、しばらく沈黙が続いた。


 門の前で立ち止まると、

 リナは一度だけ息を吸った。

 言うかどうか迷っている気配が、空気の温度で分かった。


「ねえ、蓮」


 名前を呼ぶ声が、さっきより少しだけ近かった。


 続きが来ると思った。けれど――


「……あのさ、今日……」


 言いかけて、

 リナは視線を落とした。

 靴先でアスファルトを小さくなぞる。


「……ううん、やっぱいい」


 また飲み込んだ。

 でも、飲み込んだあとに残る空気が、

 どう考えても“言いたいことがあった”温度だった。


 リナは顔を上げずに、

 袖の先を指でいじった。

 癖なのか、照れなのか、

 判断がつかないくらい自然な動き。


「じゃあ……また明日」


 その言い方が、

 いつもよりほんの少しだけ柔らかかった。


 俺は前を向いたまま、

 気づかないふりをした。

 でも、胸の奥が静かにざわついていた。


「……ああ、また明日」


 リナはうなづいて、

 門のほうへ歩き出した。

 その背中が、

 街灯の光の中でゆっくり遠ざかっていく。


 気づけば、

 影が離れていく瞬間をずっと見ていた。


 リナが門のほうへ歩いていく背中を見送ってから、

 俺はゆっくりと歩き出した。

 夜の空気は昼より冷たくて、

 さっきまでの温度がまだ胸の奥に残っていた。


 足音が一人文になった途端、

 さっきの沈黙の甘さが少しだ現実味を帯びて戻ってくる。


(……今日、なんだんたんだろ)


 言葉にすると軽くなる気がして、

 心の中だけでつぶやいた。


 影が離れていく瞬間を見ていたことも、

 名前を呼ばれたときの声の温度も、

 全部まだ消えていなかった。


 角を曲がる前に、ふと振り返った。


 リナは門の前で立ち止まっていた。

 家に入る前の、ほんの一瞬。

 何かを言うとかどうか迷っているみたいに、

 扉に手をかけたまま動かなかった。

 街灯の光が、リナの横顔を薄く照らしていた。


 そのまま扉が開いて、リナは中に入った。

 けれど、閉まる直前にこちらを一度だけ見た気がした。


 気のせいかもしれない。

 でも、気のせいじゃない気もした。


 家までの道は静かだった。

 さっきまでの沈黙とは違う、

 ひとりの静けさ。


 胸の奥に残った温度が、

 歩くたびにゆっくり揺れた。




 夜。部屋の灯りを落とすと、

 今日の帰り道がふっと浮かんだ。


 リナの「ねぇ、蓮」。

 言いかけて飲み込んだ声。

 半歩だけ近かった距離。

 影が重なった瞬間。


 全部、重い出そうとしなくても思い出せた。


(……なんでもない、か)


 あの言い方が、

 どうしても“なんでもなくない”ままだった。


 布団に入っても、

 胸の奥のざわつきは消えなかった。


 気づかないふりをしていたはずなのに、

 気づかないふりがもう、うまくできなくなっていた。


 翌朝の教室は、

 いつもと同じざわめきのはずなのに、

 どこか落ち着かない空気があった。


 席に向かう途中、

 胸の奥に昨日の温度がまだ残っているのが分かった。

 気づかないふりをしていたはずなのに、

 そのふりがもううまくできなかった。


(……顔、合わせづらいな)


 そう思った瞬間、教室の扉の向こうから足音が近づいた。


 リナだった。


 入ってきたリナは、

 いつもと同じ静かな表情をしていた。

 けれど、視線だけが違った。


 一瞬だけ、こちらを見た。


 ほんの一瞬。

 でも、その一瞬に昨日の帰り道の全部が詰まっているみたいだった。


 リナはすぐに視線をそらして、

 自分の席へ向かった。

 けれど、歩く速度がいつもよりわずかにゆっくりだった。


(……なんだよ、それ)


 胸の奥がざわついた。

 気づかないふりをしようとしても、

 視線が勝手に追ってしまう。


 席に着いたリナは、

 教科書を出すふりをしながら、

 またこちらを見た。


 今度は、

 昨日の“言いかけてやめた”ときのあの揺れがそのまま目に残っていた。


 気づかないふりをしようとした。

 でも、視線があった瞬間、ふりが完全に崩れた。


 リナは、気づいたように目をそらした。

 けれど、耳の先がほんの少し赤かった。


 その赤さが、

 昨日の夜の余韻をそのまま引きずっているみたいだった。


(……限界だな、これ)


 自分で思って、

 少しだけ息が詰まった。


 気づかないふりが、

 もうできなかった。


 一限目の途中、

 教室の空気が少しだけ冷えていくのが分かった。

 窓から入る光が弱くなって、

 ページの白さだけがやけに目に入る。


 横目に、リナの気配があった。


 視線を向けたわけじゃないのに、

 そこにいることだけが分かる距離

 。昨日の帰り道の温度が、

 まだ薄く残っているみたいだった。


 リナがページをめくった。

 その音が、やけに近く聞こえた。


 紙が擦れる小さな音。

 隣の席だから当然なのに、

 今日はその近さが胸に引っかかった。


(……集中できないな)


 自分で思って、少しだけ息を整えた。


 リナは前を向いたまま、

 ときどき指先でページの端を触っていた。

 癖なのか、昨日の続きなのか、

 判断がつかないくらい自然な動き。


 視線を合わせないようにしているのに、

 気配だけが近い。


 休み時間になった。

 教室のざわめきが一気に戻ってきて、

 その中にリナが少しだけこちらを向いた。


「……ねぇ、蓮」


 呼ばれた声が、

 授業中より柔らかかった。


「ん?」


 返すと、リナは一瞬だけ言葉を探すように口を開きかけた。


「昨日……その……」


 また言いかけて、視線を落とした。


 昨日と同じ揺れ。

 でも、昨日より少しだけ近い。


「……あ、違う。えっとね」


 リナは袖の先を指でいじりながら、

 小さく息を吸った。


「今日の体育、ペアになるやつあるでしょ。……その、よかったら……」


 そこまで言って、また言葉が止まった。


 続きは言わなかった。

 でも、言わなかった部分の温度だけがはっきり伝わった。


「……別に、嫌じゃないけど」


 気づかないふりをしようとしたのに、声が少しだけ上がった。


 リナは顔を上げて、

 ほんの一瞬だけ笑った。

 笑ったというより、

 安心したみたいな表情。


「……そっか。よかった」


 その言い方が、

 昨日の“なんでもなお”の続きみたいだった。


 体育館の床は、朝より少し冷たかった。

 バドミントンのネットが張られて、

 クラスのざわめきが反射して広がっていく。


 ペアを組むようにと言われて、

 リナがこちらを見た。


 その視線が、

 昨日の帰り道の続きになっていた。


「……蓮」


 名前を呼ばれた声が、

 体育館の広さの中でやけに近く聞こえた。


 断る理由なんてなかった。

 でも、うなずくまでに一拍だけ遅れた。


 リナが少しだけ歩み寄ってくる。

 距離が縮まる。

 逃げ場がなくなる。


(……やばいな)


 胸の奥が、昨日よりはっきりとざわついた。


 ラケットを渡されて、構えた瞬間だった。


 リナの指先が、俺の手の近くをかすめた。


 触れてはいない。

 でも、触れたみたいに感じた。


 その一瞬で、気づかないふりが完全に崩れた。


(……気づいてる。ずっと前から気づいてた。)


 認めたくなかっただけだ。

 昨日の影が重なった瞬間も、

 名前を呼ばれた声の温度も、全部。


 リナがシャトルを持ち上げた。

 その横顔が、昨日より少しだけ緊張していた。


「……よろしくね、蓮」


 その言い方が、

 ただの体育のペアじゃなかった。


 胸の奥が、はっきりと熱くなった。

 もう、気づかないふりなんてできなかった。


 ラリーが始まると、

 シャトルの白さだけがやけに鮮明に見えた。

 体育館の空気は広いのに、

 リナとの距離だけが不自然に近かった。


 リナが軽く打ち返す。

 その動きが、

 昨日の帰り道の“言いかけてやめた”揺れと

 どこか同じ温度を持っていた。


 シャトルが高く上がった瞬間、

 リナが一歩前に出た。

 その足音が、

 隣の席でページをめくる音と同じくらい近かった。


「……っ」


 リナのラケットが少しだけぶれた。

 シャトルが思ったより低く落ちてきて、

 俺は慌てて前に出た。


 そのとき――リナの手が、

 俺の腕のすぐ横をかすめた。


 触れていない。

 でも、触れたみたいに感じた。


 リナが小さく息をのむ音がした。

 ほんの一瞬、

 けれど、

 その一瞬が胸の奥に深く刺さった。


 視線が合った。


 リナの目は、

 昨日よりはっきりと揺れていた。

 迷いと、言えなかった言葉と、

 踏み込みたい気持ちが全部混ざっていた。


 その視線を見た瞬間、

 逃げ場がなくなった。


(……もう無理だ)


 気づかないふりも、

 距離を保つふりも、

 全部。


 リナはすぐに視線をそらした。

 けれど、

 耳の先が赤くなっているのが見えた。


「ごめん……ちょっと、力はいちゃって」


 リナはそう言った。

 声は小さいのに、

 昨日よりずっと近かった。


「……別に」


 返した声が、

 自分でも驚くくらい低かった。


 胸の奥が熱くて、

 呼吸が少しだけ乱れた。


 リナはラケットを握り直しながら、

 もう一度だけこちらを見た。


 その目が、

 “昨日の続き”じゃなくて、

 “今日の始まり”になっていた。


 もう、

 逃げられなかった。


 ラリーが終わった瞬間、

 体育館の空気が急に広く感じた。

 シャトルが床に落ちる音が、

 やけに大きく響いた。


 リナはラケットを下ろして、

 小さく息を整えた。

 その横顔が、さっきの視線の揺れをまだ残していた。


 言葉はなかった。

 でも、沈黙が昨日の帰り道よりずっと近かった。


「……おつかれ」


 リナがそう言った。

 声は小さきのに、

 胸の奥にまっすぐ届いた。


「……ああ」


 返した声が、

 自分でも驚くくらい静かだった。


 沈黙が落ちた。

 けれど、その沈黙は“気まずさ”じゃなくて,

 “何かが始まる前の間”みたいだった。


 体育が終わって、クラスがぞろぞろと更衣室へ向かう。


 リナは少しだけ遅れて歩いていた。

 俺も自然とその速度に合わせていた。


 距離は半歩。

 昨日の帰り道と同じ。

 でも、空気は昨日よりずっと近かった。


 リナは前を向いたまま、

 袖の先を指でいじっていた。

 癖なのに、今日はその動きが意味を持って見えた。


(……もう、誤魔化せないな)


 胸の奥でそう思った。


 更衣室から出ると、

 廊下の光が夕方に近づいていた。

 体育館の熱がまだ体に残っていて、

 空気が少しだけ冷たく感じた。


 リナがこちらを見た。

 昨日の帰り道の続きでも、

 体育のラリーの続きでもない。


 “今日の始まり”の視線だった。


「……帰る?」


 その一言が、ただの誘いじゃなかった。


 昨日の“言いかけてやめた”の続きがそこにあった。


「……うん」


 気づかないふりは、

 もうどこにも残っていなかった。


 校門を出ると、影がゆっくり伸びていった。

 昨日と同じ道なのに、空気がまったく違っていた。


 リナが半歩だけ近づいた。

 その距離が、昨日より自然だった。


 言葉はなかった。

 でも、沈黙が“始まり”の形をしていた。


 気づいていた。

 もう脱げられないことも、

 逃げたいわけじゃないことも。


 隣を歩くリナの歩幅が昨日より半歩だけ近い。


 その距離を、自分から選んでることにも気づいた。

 影が重なる。昨日より、はっきりと。


 影が重なったあと、

 歩く速度が自然と落ちた。

 止まったわけじゃないのに、

 足元の影だけが少しだけ長く伸びていく。


 夕方の光が弱くなって、

 空気の温度が変わった。

 その変化に合わせるように、

 胸の奥がゆっくりと熱を帯びていく。


 隣を歩くリナの気配が、

 昨日より静かで、昨日より近い。


 言葉はない。

 でも、言葉が無いことが、

 “距離が縮まった証拠”みたいに感じた。


 袖の先が揺れた。

 風じゃなくて、

 歩幅が揃ったせいで自然に生まれた揺れ。


 その小さな動きだけで、

 胸の奥がまた少しだけあわついた。


(……もう、戻れないな)


 そう思った瞬間、

 リナがほんのわずかに顔を上げた。

 視線は合わない。

 けれど、合わないままの横顔が昨日より柔らかかった。


 影が重なったまま、二人の歩幅が揃う。


 その静けさが、

 今日いちばんはっきりと胸に残った。

最後まで、読んでくださりありがとうございました。

中学の一瞬と、高校での揺れが静かにつながるように書きました。

もし少しでも「いいな」「ほっこりした」と思っていただけましたら、短編ですので、下の評価欄(☆☆☆☆☆)からサクッと評価をいただけると、執筆のとても大きな励みになります!ちなみに、今回の短編では書ききれませんでしたが、連載版ではリナの実家(お寺)でのドタバタや、彼女の意外な日常もたっぷり描く予定です!そちらも準備が整い次第公開しますので、ぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです。

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