番外編27 陽キャ男子は決意する話。
「藍沢くん、ありがとう……!」
そう言ってスマホを渡すと、友達の元へ駆け寄っていった。
「うん、こちらこそ」
なんとか捌ききった。なんかいつもより人多かった気がするけど、なんでだろう。
「藤咲、ごめんお待た、せ…………?!」
!
「藤咲!」
なんで……どこ行ったんだ……?
辺りを見回しても、藤咲は見当たらない。
「藤咲ー!」
移動したのかな。でも、藤咲友達多いし、誰かに誘われて……。
「……っ!」
そんなの、俺の願望だ。藤咲の意思で移動した、なんてそんなことを思いたくないだけ。
長時間待たされるなんて、誰でも嫌なことだろう。
また、夏祭りと同じじゃないか。なんで俺はいつも目を逸らす? 好きな人のこと、ずっと見ていられるチャンスなのに……。
……落ち着け。ここは学校だ。迷子ってわけじゃない。
とりあえず、教室に行ってみよう。
「藤咲来てない?!」
「「?!」」「「うわあ!」」
教室のドアを急に開けて叫んじゃったから、みんな驚いてこっち見てる。ごめん……。
「瑞穂は戻ってきてないけど……。どうしたの?」
松井が心配そうに聞いてくる。そうだよな……。
「藤咲とはぐれちゃって……」
「え!」「……!」
松井だけじゃなくて、伊織も心配そうな声をあげた。
「ごめんありがと! 探してくる!」
本当に、俺は何をやってるんだろう。
「藤咲、どこにいる……?」
はやく見つけたい。見つけて、全力で謝罪する。
でも、謝って許してもらえなかったら、俺はどうしたらいいんだろう。
「はは……」
俺、もうそんなに好きなんだ、藤咲のこと。
それなら、好きなら、何してるんだよ。
はやく、もう今すぐにでも、伝えたい。
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