番外編25 陽キャ男子は焦った話。
「いた……。はあ……」
藤咲を見つけた安堵から、俺は盛大にため息をついた。ほんとに良かった……。
ん? あれ。もう一人いる……?
「ねえ、あんたなんなの?」
「……」
反応を見るに、藤咲の知り合いではないらしい。
藤咲の声が小さくて、何言ってるか聞こえない……。
「あんた、誰?」
こっちが聞きたいことだな。藤咲に名乗らせたいなら、お前が先に名乗れば良い。
「……」
「黙ってないで、何とか言ったらどうなの?」
なんでそんな喧嘩腰なんだよ。藤咲に恨みでもあんのか?
「ちょっと!」
お、おい! ……胸ぐら掴むなんてホントにあるのか。
じゃなくて! 仲裁に入った方が良いよな…………あれ、すぐ離した。
……ん? 藤咲、今何考えてる?
「ちょっと、あんた何考えてんの?」
お、その意見は気が合うな。
「……」
「……ああもう!」
「あんたは優弥の何なのって聞いてんの!」
ゆうや……?
「……」
「知り合いなわけないでしょ! あんな優弥見たことないんだけど!」
「……」
「本当のこと言いなさいよ!」
ヤバい、どんどん激昂してってる。
「……」
「何言ってんの? あんたに似た優弥の友達なんていないけど」
「……」
「はあ?」
「……」
「あるけど、あんたがその妹本人かは分からないじゃない」
落ち着いてきたか? このまま穏便に済めば良いんだが……。
「ねえちょっと、私真剣に話してんだけど」
「……」
「……………………」
「うるさい!」
うお、ビックリした。今日一声出てたな。
「そーよ! あんたなんてめちゃくちゃブスなのに!」
なんだよ急に藤咲の悪口言いやがって。
…………待て、……これはヤバそうか?
「なんで……! なんでなの!」
そう言って女が手を振り上げた瞬間、俺は咄嗟に体が動いていた。
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