08 腐女子は交渉する話。
部活が終わって、空も暗めになってきました。
が、私の仕事はまだ残っています。それは。
柿ピーに、勉強会大作戦の協力を仰ぐこと!
こういうのは早い方が良いと思ってね。柿ピーが一人になるのを待ってたんだけど、これがなかなかに難しい。
うちのパートメンバーは仲良しだから、ずっと一緒にいるんよ。部活始まってから駐輪場までずっと! マジでホントに仲良し。最高!
今はみんなで廊下歩いてる。駐輪場に向かうためにね。
もちろん、サックスパート唯一の一年、孝太は一年生と帰っております。
「あ"ーー!」
うお! びっくりした。急に叫ばないでよ茜。
「あら、どーしたの茜ちゃん?」
「忘れ物したあ"ー! 奏音も一緒に来て!」
「ええー! めんどい―――……」
これが誘拐か。有無を言わさず連れてかれたぞ。
……はっ!
茜グッジョブ! ありがとう! 奏音には申し訳ないけどね!
「柿ピー!」
勢い良く振り返った。
「何よ、今度は瑞穂? どーしたの?」
つい茜と同じくらいのデカイ声出しちゃった。柿ピー目ガン開きで驚いてるんすけど。
「ちょっと頼みたいことがありまして!」
「なになにー?」
大作戦の内容を話す前に、なぜそれを決行するのか話しました。
で、案の定。
「えー! 颯が奏音にひとめぼ」
「わー! ちょっと! 声が大きい! 響いてるから!」
うん、やっぱりね。声デカイて。
それにさっきより目が開いてるわ。人間、最大級驚くと眼球出るでしょ。多分。
「へえー。なるほどねえ」
今まで見たことないくらいニヤニヤしてる。柿ピーってニヤつくと変態っぽくなるね。
「それで?」
「それでね、」
今度は大作戦の内容をお話ししました。
ニヤニヤも最高潮。どこの犯罪者だろう。
「ふーん。…………面白いから協力しちゃおうかしら!」
「ほんと?!」
さっすが柿ピー! 頼りになるう!
さっきの変態発言は取り消しとくね!
「みんなただいまあー!」
ちょうど話が終わったところで二人が帰ってきた。
奏音へとへと過ぎんか? 何があったんや。
「お帰り!」
「じゃあ帰りましょうか」
無事、強力な助っ人柿ピーも仲間に加わった。とてつもなく楽しくなってきた。
「さっきなんか二人ですごい盛り上がってなかった?!」
「ね。何話してたの?」
「あー、今日の授業で鈴木先生がめっちゃ面白かったねって話かな」
誤魔化す話題テキトーにしすぎたわ。絶対聞かれるどうしよう。
「何それ聞きたい!」
ですよね。
よし、かくなる上は。
「柿ピーに聞いて」
柿ピーに丸投げ!
わー、柿ピー睨まないでー!
わお、すんごい絡まれてる。茜、聞くまで退かないやつだこれ。柿ピーすごい困ってるわ。良かったー、投げといて。
決行は、奏音が勉強付き合ってくれそうな日!
あとは最重要人物、奏音を召還できるか勝負である!
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