番外編24 陽キャ男子たちの恋バナの話。
夏祭りから数日後の今日。
私の家で男子会が開催された。
でもね、正常なやつが私しかいないのよ。
「んふふ……」
颯はずっとにやにやしてるし、
「はあ……」
健人はスマホチラチラ見ながら、ずっとため息ついてるし、
「…………」
伊織はずっと無言だし。
「何なの、お前ら」
「「「え?」」」
あら、全員自覚なし?
「颯は奏音と進展あったこと。で、健人も伊織も瑞穂とのことでそうなってんだろ」
「そ、そうだけど……」
「うん……」
「…………」
三者三様の反応ね。だけど、それぞれ肯定してるのが面白いわ。
「健人、何があったか話して」
「お、俺?」
「うん」
だって颯はどうせあれのことだろうし、伊織は絶対話してくれないもの。
やー、でもあれはビックリしたわね。颯と奏音が戻ってきたと思ったら、急に名前呼びになってたんですもの。
名前呼ばれる度に鼻の下が伸びてる颯、面白かったわあ。
「じゃあ、言うよ?」
はやく言ってちょうだい。
「俺さ、藤咲のこと、……好きだったみたい」
「え?!」
「!」
ん? 伊織、そんなに驚く?
「やっとかよ」
って、ヤバ。声に出しちゃったわ。
「えっ?」
……仕方ない。ここはいくしかないわね。
「今さら自覚したのかって話。ずっと好きって気持ちはあったのに、気付いてなかっただけなんだよ。俺と伊織はお前より先に分かってた」
「え?!」
「え、どういうこと? 俺は?」
天然とアホはまあこうなるか。
「そうでしょ、伊織」
「…………うん……」
何その煮え切らない返事。
「そうだったの? 俺態度に出てたってこと? 藤咲にバレてると思う?」
「ない。絶対ない。瑞穂も鈍感だから」
「そっか……」
バレた方が意識してもらえそうではあるけどね。
「瑞穂のどこを好きになったの?」
「え?! そ、それは……」
「言えないの?」
「…………一緒にいて、すごく楽しいんだ。一生懸命で応援したくなるし、見てて飽きないし、……あ、あと、本心で接してくれるところ。あとは……」
「ごめん。俺トイレ行ってくるわ」
ちょっと颯! なにぶち壊してくれてんのよ?!
今の話ちっとも聞いてなかったくせに! いや聞いてなかったゆえの奇行だとしても! あ! スマホ持ってる! 奏音からLIMEが来たのね!?
「あ、じゃあ俺も飲み物取ってくる!」
健人も逃げたわね?!
「あ、ちょっと待……!」
行っちゃった……。もうちょっと聞きたかったわ。
「……じゃあ、今度は伊織だな」
「……は?」
話を聞きたいのよ。二人がいなくなったことだし。
「夏祭り、瑞穂と話してなかったよね。なんで?」
「……」
「……ああ。瑞穂おしゃれしててかわいかったもんね。それで恥ずかしくて話しかけられなかったんだ」
「……違う」
「なにが違うんだよ。俺には伊織が一方的に避けてるようにしか見えなかったけど」
「…………そんなこと、ない」
「……早く仲直りしなよ? 誰だって避けられるのはつらい」
「……分かってる」
本当に分かってるんでしょうね。
このままずっと瑞穂を傷付け続けるようだったら、ただじゃおかないわよ。
「俊臣、お前は?」
……今はあんたの話をしてたでしょうが。
「……絶対ないから、良いんだよ」
「はあ……お前な…………」
察しが良いのも考えものね。
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