番外編19 腐女子の一方その頃の話。
「美味しい?」
古池さんが笑顔で聞いてきた。
「うん。美味しい!」
十五分くらい並んで、ようやく手にしたフライドポテト。揚げたてサクサク、塩加減も丁度良くて、とっても美味しい。
「ごめんね、一緒に並ばせちゃって」
「大丈夫。次はどうする?」
今日来たってことはきっと、透香も知ってるんだよね? あの、『瑞穂と瀧田さんをくっつけよう大作戦』。透香なら、うまく二人きりにしてくれるだろうから、私たちはこのまま二人で回ればいいよね。
「古池さんはどこが良いですか?」
「俺は……江角さんの行きたいところかな」
「え! それは悪いです。次は古池さんの食べたいの探そう?」
「うーん……」
やっぱり古池さんイケメンだなあ。ふとした時に毎回思う。
「……江角さんの好きなもの、がいいな」
「そ、それは古池さんの食べたいのじゃないですよね?」
「江角さんの好きなものが知りたい」
ん……? それって、どういう……。
って! ダメダメ。勘違いだから。
古池さん、女の子の扱いなれてるだけだから。
でも真剣な顔でそんなこと言うなんてヒドイよね?
「じゃ、じゃありんご飴、買いに行きませんか……?」
「うん、行こう」
本当にまずい。
瑞穂のために協力してるだけなのに。
「りんご飴って美味しいよね」
「はい。りんご飴専門店のものも食べてみたくて」
「そうなんだ。じゃあ今度行ってみる?」
「えっ?」
これって、ど、どういうこと……?
「あとさ、良ければだけど、そろそろタメ口で話して欲しい」
「えっ?!」
な、なんで?
「仲良くなりきれてない気がして」
「仲良く、してくれるんですか……?」
私と?
「え、うん。仲良くなりたい……です」
照れてる! か、かわい…………いや! ダメだよ!
透香が前に『かわいいと思ったらもう沼だから気を付けて』って言ってたもん!
「じゃあタメ口でいきま……いくね」
「ありがとう」
わあ……笑顔すご……。
「あと、もう一つ。お願いが」
「どうしたの?」
すごく言いづらそうだけど、私に言って平気なのかな。
「……名前で、呼んでほしい」
な!
「名前……!?」
そ、そんな、なんで? い、良いけど! 急にはムリだよ!
「そ、それは徐々に……」
「……奏音」
…………!
え、ま、待って。いきなり? 私のことも名前で呼ぶってことですか? ヤバい。今絶対、顔赤い!
「……は、はや、て、くん…………」
「……うん、ありがとう」
そこからずっと、私は意識しまくりで彼と歩いた。
ひどいよね。颯くんはそんな気なんて、絶対ないくせに。
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