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41 腐女子のコンクール翌日の夜の話。

「やっほー」


 安くて美味しい食べ放題が売りの、学生もよく使う焼き肉店。お肉の美味しい匂いが充満していて、それはそれは幸せな空間である。


「あ、瑞穂みずほ


「あら。今日は間違えずに来れたのね?」


「あの時はすみませんでしたー」


 今日は時間通りである。暑いから店の中集合に変わったのだ。食べ放題なのに店で待ってて良いの神だよね。あ、全員揃うまで注文待ってくれるってことね。ほんとありがたい。


 私は二人に一礼してから、席に座った。


あかねは?」


「道間違えたから遅れるって」


「いつになったら時間通りに全員が集まれるのかしらね」


「「すみません」」


 実は一度だけ、奏音かのんも遅れたことがある。その時は私も茜もちゃんといたから、柿ピーにめちゃくちゃがっかりされてた。奏音は今回しかしてないのに……、とすごい可哀想だった記憶がある。


「あのさ。今朝、藍沢あいざわくんと瀧田たきたくんに言われたんだけど」


「今朝?」


「朝に?」


 二人とも食いつくところが違いまっせ。


「うん、連絡あって」


 めんどくさそうだから、電話だったのは伏せとく。


「でね? 夏休みに、藍沢くんと瀧田くんと古池こいけと柿ピーと透香とうかと奏音と私で遊ばないかって」


「私もそれ聞いたわ。人数多いわよね」


「えっと。要するに、あの男子四人と、私たち三人で遊ぼうってことだよね?」


「そうそう」


「……なんで私たちも……? 予定は合うの?」


 奏音がいるグループが私たちサンコイチだからっすね。あと奏音と古池がまだ二人きりで遊ぶような関係値じゃないからだよ。

 予定のことは私も思ったやつです。


「多分お盆とかになるんじゃないかな。……帰省とかする?」


「私はお盆予定ないよ」


「私もないわ」


 マジか。私もないよ。


「男子の方ではなんか話してる?」


「ええ。男子はみんなお盆空いてたはずよ」


 え、そんな奇跡あります?


「楽しそうだけど……。私、正直パスしたいのよね」


「「えっ」」


 そうなの? でしたらぜひ、パスしましょう!

 一人でも来れない人がいるなら遊ばない、ということにしません?


 いや、でも古池のためには頑張らないといけないのか。


「だって、女子三人はみんな知ってるじゃない。男三人の前で出さない自信がないもの」


「みんな? ……透香にバレたってこと?!」


「あら、奏音ちゃん聞いてなかったの?」


「最近透香と会ってなかったから」


 そうだよね。学校だとクラスが違えば基本は部活でしか会えないか。それに部活も違う。透香帰宅部だし。


奏音かのんはどうする?」


「瑞穂が、『奏音が行くなら私も行こっかな』ってなるんだったら行く」


 おーん、私に委ねられてますね。古池の運命がな。


「とりあえず透香にも聞いたんだけど、返信が…………さっき来てますね」


「お、なんて?」


「えっと、『二人が行くなら』だって。どうする?」


 私的には、少人数なら行きたかった。古池と奏音と柿ピーについてく、とかなら行った。


 ……柿ピーがあの時、勉強会の時に潔く来てればこんなことにはなってなかったのでは……? ていうのは後の祭りだね。ごめん。


「人数も奇数だものね」


「確かに。でも、困るの女子三人の方だよね。四人は割りきれるじゃん」


 え、いつも奇数(三人)で遊んでるのにそんなこと気になりますの?


 あ、もしかして奏音さん、男女別で行動、な感じで考えておられる? 多分奏音は、古池と歩くことになるんじゃないかな。


 まあでも遊園地とかは困るか。けど、あんまそういうとこは行かないんじゃない……? あ、女子一人追加とか良くないっすか? でも誰追加したら良いのか、候補が浮かびませんね……。


「……じゃあ、私瑞穂は」


 手を高らかに挙げて宣言する。


「うん」


「なあに」


「……柿ピーが行くなら行くわ!」


 柿ピー、お手本のようにズコッてなってた。


「責任の押し付け合いがすごいわね……」


「そうだね。それじゃダメか……」


 じゃあどうしたら良いんや! 本当は予定空いてるなら行けよって話だよね! そんなん分かってる!


「……じゃあ、賭けをしましょう」


「「賭け?」」


「そう。茜ちゃんがスカートで来るか、ズボンで来るか」


 確かに。こうなったら運に任せてみてもいっか。……でも待てよ。


「茜ちゃんがスカートで来たら全員行く、ズボンで来たら行かない」


 いやそれ賭けになってないから!

 ほぼ行かないやつじゃん。茜ってズボンが好きだから、スカートはたまに履くぐらいなんだよ。

 そんなんで良いのか? それに、せっかく誘ってくれてんのに無下にして良いの? だんだん罪悪感が募ってきた……!


「じゃあそうしよっか」


 ……奏音?! 良いの?!


「え、そんな」

「みんなやっほー」


 き、来た……。このタイミング……?


 ただ今、みんな茜を見ないように下を向いております。


「なーんでみんなこっち見てくれないのー?」


 賭けてるからです。茜さん、ちょっと待っててくれ。


「せーので見ましょう」


「「うん」」


「せーの!!」

お読みいただきありがとうございます!

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