39 腐女子は温かさに嬉しくなる話。
「瑞穂! お疲れ様!」
帰ってリビングへ行けば、兄二人と豪勢な食事が私を歓迎してくれた。
「どうだった?」
「銀だった……」
「そっか。でも俺は瑞穂たちの演奏が一番だと思ったよ」
恭平兄さん優男……。
「……そうだな」
涼平兄さんツンデレ……。
今日の演奏を二人とも見に来てくれていた。ありがてえ。
「今日はいっぱい食べて、よく寝て、元気を補給しよう」
「うん」
食卓には、私の好物ばかり並んでいる。すき焼きあるの嬉しすぎるなあ。明日もお肉食べるんだけど、それとこれとは別だよね。
「「「いただきます」」」
「優弥も来れば良かったのにね」
しばらく食事を貪っていると、恭平兄さんが口を開いた。
「黒木さんは演奏なんて聞きに来ないでしょ」
あの人が会場の客席に座ってるところ想像できない。
あんな厳かな雰囲気の中、めちゃくちゃピアス開いてて、髪も長くて、服装もダルダル…………絶対おもろい。
「え、優弥演奏聞きには来たんだよ」
「えっ?!」
衝撃発言なんですけど?!
「珍しくちゃんとした格好だったし。ね、涼平」
「ああ、初めて見た」
え、どういうこと。さらに想像できん。
「ご飯も食べてけば良かったのにねって話だよ」
「そうなんだ。お礼言わなきゃ」
「演奏すごかった、って言ってたよ」
黒木さんが他人を褒めることってあるんすね。
「ふう……」
ご飯も食べて、お風呂に入って、ベッドへダイブ。
もう十一時かい。とほほ。
あ、そうだ。LIME確認してから寝ないと。
『明日午後五時にお店の前ね』
と、皆が間違えないように、午後、五時、と送られていた。十七時とか言うと間違えるやつがいるからな。……ははは、ごめん。
あとはお店の地図も送ってくれてる。柿ピーは気遣いの塊すぎる。できるオネエだ。
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