表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/106

35 腐女子は遭遇した話。

 待ちに待った週末。

 今日はなんと、日曜なのに部活がない! やっと一日ずっと、まるごと休みなのです! いつもはないんだけど、コンクールが近いから仕方ないのだ……。


 ただいま、瑞穂みずほは我ら腐女子の聖地へ来ております。

 ちなみに一人です。透香とうか奏音かのんも誘ったんだけど、バイトとか他の友達と予定があるとかでさ……。


 でも良いんです! 一人でも楽しめるもんね。


「お、あったあった。表紙からヤバさが伝わってくるわあ……」


 これですよ。私が求めていたのは。

 表紙の攻めの目、真っ黒なの。これは愛重そうじゃない?!



「ありがとうございましたー!」


 店員さんの元気な声を聞いたあと、私は店を出た。

 右手には青い袋。三冊の本が入ってる。

 絶対に死守して家に持ち帰らなければ!


 まあ、でも。お昼ご飯食べるくらいは良いよね?


「どこにしよう。……駅の近くにサ○ゼあったな」


 学生、しかもバイトもしていない私は常に金欠である。

 サ○ゼは救世主なのだ。



 最早スマホを頼らずとも、駅からここまでは迷わずに来れる。私は目的地に向かって、知らず知らずルンルンで歩いていた。


 うおっと危ない。誰かにぶつかりそうになった。

 でもな! 私の足取り軽やかすぎて、避けるの容易かったぞ!


「あれ、……藤咲ふじさき?」


 え、なんで私の名前? てかなんでこの声が……?


「……!!!」


「そんなに驚く?」


 ぎゃあぁああ! と叫びたかったのを、無音で済ませたんだから。誉めてほしいぐらいっすよ。


 振り向くとそこには、頭に浮かんできた通り、藍沢あいざわくんがおりましたとさ。オタクパワーです。声で誰か分かりましたよ。


 ふむ、さっきぶつかりそうになったイケメンが藍沢くんだったんですね。私、危機回避はできなかった模様です。


「き、奇遇だね」


「そうだね。……買い物?」


 私は咄嗟に右手を後ろに隠した。

 まずい。これを見られたら終わり。色々終わり!

 ほんとに人生終わるレベルで終わり!


「そ、そうだよ。藍沢くんは?」


 さっさと私の話題から変えることが重要である。


「俺も買い物。服買ってた」


 そう言って見せてきたのは、なんだかお洒落な紙袋。


 あ、そういえば藍沢くんの私服見るの初めてだね。さすがですかっこいいです。でも予想外。

 キレイ目で、だけどウザくないというか。適当な表現が見当たらないけど、とりあえずめちゃめちゃお洒落。脳内スクショが止まらない!


「藤咲は?」


 ……え。この会話に戻ってきちゃったんですか。逸らした意味!


「……あー、えっと…………本、……かな……?」


「どんなの?」


 そんなん聞かんでも良くないか!?


「が、画集! 好きな作家さんのやつ! じゃあ私はお昼食べに行くから。これで!」


 もう早く切り上げちゃおう! 藍沢くんと別れればそれで解決じゃん!


「え、待って。じゃあさ」


 呼び止められちゃいましたね。……嫌な予感…………。


「行きたい店あるからついてきてほしい!」


 やっぱりこうなるんすね。はい。


 って、え? まさか一緒にってことですか? 私お誘いされてます?!


 いや! こんなただのクラスメイトと行っても大丈夫なんですか?! 私だったら推し関係なく気まずくて死ぬ!


 てか! これ推し本人だからさ! もっと死ぬ! 鼻血が止まらないと思う!


 いや! 私たち友達になったんだっけ?!(錯乱)


「いや、あの……」


「ファミレスとか行く予定だった?」


 …………!!


「あれ? 当たってる?」


「…………はい」


 こういうとき、上手く嘘をつく技術が足りてない。素早く良い感じのが浮かんでこない。


「じゃあ行こうよ。…………ダメかな?」


 そんなかっこかわいい顔でそんなこと言われたら行くしかないじゃんんんん!




「……ここ?」


「そうだよ」


 一歩前を歩く藍沢くんが止まったのは、おシャンなカフェ。女性しかいない。男性もいるにはいるけど、カップルで来てる。


「俺一人じゃ入れないからさ……」


「うん、それは確かにだけど……」


 藍沢くんがスイーツ男子だったなんて。


「……引いた?」

「いや、全然」


 マジで全然引いてない。

 てか引く要素どこにあります? こちとら解釈一致で死にそうですよ?


「イソスタでここ見つけたんだけど、来る機会がなくて」


 ほーん。

 丁度ここの近くで、丁度良い女が、丁度藍沢くんの前に現れたってことだったんすね。


 お役に立てそうなのは本当に嬉しいです。ですが、……。


「柿ピ……本くんとか連れてくれば良かったんじゃない?」


 柿ピーもスイーツ好きなんだよ。だから喜んでついてきそうだけど……。


伊織いおりはやてはワンチャンあるけど、俊臣としおみは絶対ないな」


 あ、柿ピーそれもダメなんだ。

 かわいいもの見ちゃうと隠しきれなくなっちゃうのかな?


「スイーツだけじゃなくて、ちゃんと昼飯もあるから」


「そ、そうじゃないと困るかも……」


「あはは! そうだよな! ごめん!」


「ええええ? ここ笑える要素ありました?」



 店に入り、私はパスタを、藍沢くんはショートケーキを平らげ、少し雑談した後解散した。

 青い袋の中身の話題は出なかったので一安心。


 でも、よくよく考えたらね。私、Tシャツとジーパンで推しと対面してました。後から羞恥に襲われたよね。


 つらすぎます。

お読みいただきありがとうございます!


大晦日ですね!(というかもうあと数時間で年明けますね!) 本作品を読んでくださっている皆様、ありがとうございます! 来年もよろしくお願いします!


年明けに皆様に「あけおめ」を言いたい、という私の欲望を叶えるため、明日も投稿します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ