番外編12 陽キャ男子の雑談の話。
「ねえ、伊織」
自転車で後ろを走る伊織に向かって、大きめの声を出した。
「なにー?」
部活の帰り道。といっても、部活終わった後も残ってたから時間はだいぶ遅い。
でも六月も最後の方だし、最近はこの時間でも明るくはある。
「今日の現国でさ」
「うん」
「藤咲に『なんか困ったことあったら言ってね』って言ったら、なんて返ってきたと思う?」
「そんなこと話してたのかよ。……んー、私のことは気にすんな、とか? 藤咲って健人に対しては謙虚じゃん」
「おー。前半部分はそれで合ってる」
なんで当たってんだよ。すごいな。
でも言いたいのはそこじゃなくて!
「前半後半とかあんの? 正解は?」
「『逆に私が助けます』って言われた」
「うわー、男前ー」
伊織も感心してる。やっぱそう思うよな。
「びっくりしたよ、もちろん良い意味ね」
かっこよくてびっくりした。そんなこと言われたの初めてだったしな。
「藤咲って、たまにめちゃくちゃ面白いこと言うよな」
「へえ、そうなんだ。……たくさん話したのは今日が初めてだからさ」
「これから話せば良いじゃん」
「うん。今日で友達になったことだしね」
「……なんか幼稚に聞こえるけど大丈夫か?」
「え? なんで幼稚……?」
そういえば、颯もそんな感じのこと言ってたような……。
「いや、……なんでもない」
……気になるだろ。教えてくれても良いじゃん。
「あ、あと、月曜に藤咲にマンガ借りることになった」
藤咲の好きなマンガってどんなのだろう。楽しみだ。
「じゃあ、月曜は絶対藤咲と会話するってことだよな」
「えー? 何て言った?」
「なんでもない」
おい! これもなんでもないで済ますのかよ!
お読みいただきありがとうございます!
今回お話が短いので、次回投稿は明日です!




