33 腐女子が推しと友達になれる世界線の話。1
「じゃ、机くっつけてグループになれー」
現国のお時間です。
ついにやってきてしまいました。作文発表。
席替えからは結構経って、後ろ姿をガン見できるくらいにはなんとか慣れた。でもよ、机動かしたら隣やん! その耐性はついてないっすよ! 私死にます!
しかし、それよりも最強に私を悩ませてる問題がありまして……。
それが作文の内容なんです。文の構造? が見本とあってればテーマは自分で決めて良いやつだからね、私、テーマをアニメ関連にしちゃったんです。……某SA○にしました。はい。
前のグループのメンバーはいつもラノベ読んでる子と、アニメ好きの男子二人だったから良かったんだけど! 今回は違うじゃん?! 席替えしちゃったから!
古池は別に良いとして、……SA○勧めたこともあったんでね?
でもさ、ここにいるんよ、推しが。隣に!!
ぎゃあぁああ。どうしようまじで。
推しにこんなオタクな話聞かせらんねーよ! ……今からテーマ変えるか?
てか待って隣にいるの無理すぎる。左側(推し側)に全神経寄ってるわ。今、右半身触られても多分なんも感じない。
「俺から見て手前の左から時計回りで発表しろー」
ざわ…ざわ…、とみんな発表し始めました。
と言いつつ、うちのグループも発表始めたんだけどね。古池が。
今日、藍沢くんの隣の人が休んじまったのさ。それもヤバさを加速させてる。人数一人減るだけで全然ちゃうんよ。
いや、でもいけるくないか? だってSA○の技術があれば、他にもこういうことができるかもよーって内容にしたし、アニメの話感は少ないはず。よし、頑張ろう。
「おい藤咲、大丈夫か」
「えっ?」
古池よ、なんもないから。発表中断してまで心配してくれなくて良いから!
うおお、左から視線を感じる……! 頼む古池、私に注意を向けさせるな!
壁になりてえ! って腐関連じゃないときに思ったの初だわ。
「眉間にしわよせて全然動かないから」
「あー、それは古池の発表が素晴らしすぎ」
「嘘つくな聞いてなかっただろ。俺が何話したか言ってみろ」
「……うん、ごめん! 罪を認めます!」
潔さも大事よね!
ああ、推しが笑ってる……(私が笑われてる)。
……うおおーん(泣)。絶対引かれてるよ……。隣見れん……。
「じゃあ四人目発表しろー」
我々のグループには四人目はいないので、このちょっとの時間は自由だね。
無事……ほぼ無傷…………若干怪我は負ったが、なんとか乗り越えた。
てか推しの発表が素晴らしかったので聞いてくれ。
ジャンプ力向上のために何ができるか、ってテーマだったんだけど、もう志がかっこよすぎたね。十分上手らしいのに、もっと努力しようとする姿勢とか、バレーについて熱く語ってるのマジで良き。
「ねえ、藤咲」
お、推しに話しかけられてるッ?!
「ひゃいっ」
はいおわたー。ひゃいって何やねん。
「今、吹奏楽部って何練習してるの? 俊臣に聞いてもあんま話してくれなくて」
触れないでくれて有り難う。
あー、柿ピーはそういうの話さないだろうなあ。吹部の想像して話したらオネエキャラ隠しきれなそうだし。
「今は、コンクールの曲を練習しております」
「へえ、そうなんだ。コンクールって大会だよね? 俺たちでいう夏の大会みたいな?」
「はい、多分そんな感じだと思います」
「え、それって一曲だけ?」
「はい。私たちは少人数の編成なんで一曲です」
「そっか。……あ、一曲だけって練習飽きたり」
「ストーップ!!」
声デカ。まあでも止めてくれてありがとう。全然息できてなかったからよ。
「颯、どうした?」
「どうしたもこうしたも……。あのさ、お前らの会話って、面接……?」
ため息混じりで言ってきやがった。
仕方ないでしょ。私から質問とかできないしさ……。
「藤咲は俺の質問に答えてくれてたんだよ? 面接ってどういうこと?」
お、藍沢くんって結構天然なんだ。かわよ。
「いや、だからそれが面接って……まあ良いか。お前らのことだし」
「おい颯、なんかその締め方は納得いかない」
「……お前らが会話したの今回がほぼ初めてだろ? ならそんなもんかって思い直したんだよ」
「初めてではないよ。こんだけ話し込んだのが初ってだけで」
「そんなんほぼ俺の言った通りじゃん」
「……」
藍沢くんまだ納得してなさそう。かわいい。
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