番外編11 陽キャ男子が思案する話。
いつものように、ドアを開けて、瑞穂ちゃんが入る……あら?
「ん……? 入んないの?」
何か見てる?
……あ、あれね……。
「あー! 入る! ありがとう」
「ん」
ドアを閉めて荷物を置き、自分の席に座った。
男子三人のところ行っても良かったんだけど、時間もないしね。
はあ。瑞穂ちゃんがそんなに健人のこと苦手だったなんて……。席に座られてそんなにショック受けるくらいには嫌なのね?
でも、健人良いやつなのよ。運動はできるし、勉強はそこそこだけど真面目に努力してるからテストの点数は良いし、優しいし、顔は良いし、スタイルも良いし……。あら、途中から外見褒めちゃったわ。
でもなんで健人が苦手なのかしら。席替え前まで話してるところなんて見たことなかったのに。……私の知らないところで何かあったのかもしれないわね。
健人って天然なところもあるから、何かしらの言動がきっと瑞穂ちゃんに誤解されちゃったのね。
誤解が解ければ良いんだけど。
それまでは健人と瑞穂ちゃんの距離を保たないとね。
「瑞穂、席借りて良い?」
「あ、うん。良いよ!」
昼休み、ご飯は健人と颯がいるこっちで食べるだろうから、先手必勝で瑞穂ちゃんの席を借りちゃう。
……なんか伊織が悔しそうなんだけど、どうして……?
「瑞穂の朝のやつ! めっちゃ面白かったよ」
「こんな顔で動きもこんな感じだった!」
「もうやめてくれーー!」
いつものメンバーと合流した瑞穂ちゃん、早速からかわれてるわ。
瑞穂ちゃんは今日、一日中朝のことをこんな感じに引きずってるの。私としては、伊織の大爆笑の方が面白かったんだけど、それも女の子からしたらかっこいい判定なのかしら。
「伊織、朝のやつお前どうしたんだよ」
ちょっと颯、蒸し返さなくて良いじゃない。今その話題をここで出したら、みんな聞き耳たてるわよ。
「んー? いやあ予想外すぎて笑っただけだよ」
「予想外?」
「無視されると思ったんだけどな」
「いや全然伝わんねー」
瑞穂ちゃんと伊織が会話した? でも瑞穂ちゃん、朝は松井さんと話してたじゃない。
「あの一瞬でなんか話したの?」
い、一瞬? 健人、何か見てたの?
「いや、俺の独り言のつもりだったよ」
「それに返してくれたのに大笑いしたのか? お前……」
全然状況が読めないけど、それは健人に同感。おかげさまでうちの瑞穂ちゃんが困ってるんだけど。何してくれてんのよ。
伊織、瑞穂ちゃんのこと気に入ってるんでしょうけど、酷いことしても尚側にいてくれるような子ではないわよ。断言するわ。
瑞穂ちゃん、嫌うなら健人じゃなくて伊織が良いと思う。
あ、……そうね、伊織との接点作ったの私だったわね。
ごめんね、瑞穂ちゃん……。
で、でも、伊織だって良いやつなの!
普段は優しいのよ。こんなんじゃなくて。
だって、あの作戦で私の代わりも引き受けてくれたし!
あと、運動はできるし、勉強面は地頭良いからテストの点数良いし、優しいし、顔は良いし、スタイルも良いし(以下略)。
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