29 腐女子たちの打ち上げの話。
「ねえ、二人とも」
「は、はい」
と、透香さん、なんか怒ってる?
「なにー?」
奏音、なんでそんな普通に返事してんのさ。
ここは学校近くのパスタ屋さん。
体育祭の打ち上げで、三人で食事をして、帰る直前。自転車にまたいだ後である。
いつも三人で食べるときは腐の会話で盛り上がってるんだけど、今日はなぜか盛り上がらなかった。
なるほど、なんとなく空気がおかしかったからなのかもしれないな。
「……私に言ってないこと、ない?」
や、やばい。絶対あれやん。なんでバレた?
奏音もどうしようって顔しとる。
「え、えっと……」
「言えない感じ?」
「「……」」
透香は私たちの反応を見て、小さくため息をついた。
「今日さ、二人が瀧田くんと古池くんと一緒にいるのを見たの。そこって仲良かったんだ、って思っただけ」
見られてたんだ……。透香そのときどんな気持ちだっただろう。私だったら絶対寂しくなっちゃう……。
「…………ちょっと待ってて……!」
私は荷物の中からスマホを取って、自転車を降りた。
「え?」
「どうしたの?」
どうしたもこうしたもない。物陰に向かうのだ。
「少し席外しますわ」
二人ともポカンとしてた。
「……あ、もしもし? 今平気?」
良かった、出てくれた。ちなみに、これはLIME電話である。
『うん。どうした?』
「あー、えっとー、透香にあの大作戦こと、言っても良い……?」
相手は古池です。今更ながら許可取ります……。
『え、なんで?』
「私たちさ、あ、透香と奏音と私ね? 私たちさんこいちなんよ。なのに、透香だけ知らない状況なのが……」
『あー、そういうこと。全然良いよ』
「え! 良いの?!」
なんか思ったよりあっさり受け入れてくれたわ。
『なに驚いてんの』
「いやあ、見直したよ」
『は? どういうこと?』
「あはは。なんでもない。じゃあ真実言うからね? あ、透香だから絶対大丈夫。むしろ協力してくれるよ」
『うん、じゃあ松井にもよろしく言っといて』
「うん、ありがと」
ありがと古池。
「誰と電話してたの?」
「いや、えーっと、……兄っす」
奏音の前で言わない方が良い気がしましたので。なんとなく。
「じゃ、帰ろ」
え? 今言わないのかって?
うん、今は言わん! 奏音がいるから真実言えないじゃん? だから、帰ってから透香に電話します!
あ、……それなら古池に電話すんのもさ、後で良かったよね……。
お読みいただきありがとうございます!




