28 腐女子は目撃する話。2
私より先にいる、だと?
さすがっすね。リレー一位は伊達じゃない。
「遅い」
「ご、ごめん……!」
文句を言うな! 吹部の体力をナメるな!
私の息切れ激しいんだからさ、ちゃんと走ってきたの伝わってるはずだよね……!?
「いや、別に……」
なんか気まずそうですね。うん、まあ当たり前か。
「……タオル、持ってきてくれてありがとう」
「ああ」
大戦犯のこのタオル。
置き去りにされて、なぜ私に自力でついてこなかったのでしょう。私にぴったりついてきてくれてればこんなことには……!
…………。
うおお! 沈黙! 気まずい!
私にこれを打開できるような力はない!
「……じゃ、じゃあ行くね!」
先手必勝! 教室戻ります!
「あ、ちょっと待って」
立ち去ろうとした私、瀧田くんに腕を掴まれました。反射神経えぐ。あと握力つよ。
あの……。絶対に口外しないと誓うので、見逃してくれませんかね……?
「な、何でしょうか……?」
「あのさ、いつから…………」
「…………?」
ど、どうしたの? 早く続きを聞かせておくれよ。
「いや、なんでもない」
うわ、逆に気になるやつ。
でも深追いはしないでおくわ。ここでこの話題が終わる方が良い。
「そか。じゃあ改めて、私はこれで。…………えっと、……手が離れないけど……?」
「あ、いや、…………ごめん」
やっと右手が解放された。
もう教室行っても良いってこと……ではなさそうだよなあ。
どうしたらいいのか分かんなくなって、無意識のうちに瀧田くんを見つめてしまった。
で、突然口を開いたのさ。
「引かないの?」「え? なんで?」
質問が急過ぎて、なぜか私も即答。
でもって、二人して爆笑タイム。
これは現場にいないと分からないタイプの面白さです。「は?」とか思わないでね! とにかく面白かったの!
「いくらなんでも早すぎだろ!」
「びっくりし過ぎて脳から直接出てたの!」
笑い終わって、二人で教室を目指しております。
いや、待てよ? 二人で目指しちゃダメじゃない?
どこかで二手に分かれないと!
「藤咲、ありがとな」
おう、またまた急だな。
「……良いってことよ」
私そういうの無縁なもんで……。こういう時どう返して良いのか分からん。
「良い断り方が未だに分かんない」
それ遠回しに告白された回数多いって言ってないか?
「……やんわり断られるよりさ、きっぱり言ってくれた方が女子も助かるよきっと。未練とか残んなそうじゃん」
経験はないので分かりません。あくまで憶測。
「そう?」
「でもさ、前に瀧田くん、私に『好きになるって良いことじゃん』って言ったよね。その割には結構辛辣だったね」
「おい」
ごめんて。
「健人とは写真撮った?」
「え?」
それって仕返しかね? 止めていただけませんか?
「知り合いでも何でもないのに無理でしょ」
「……それもそうか」
「そうだよ」
「じゃあ健人の衣装写真いる?」
「いる」
「あ、はい」
若干引かれたような気もするが、気にしないでおこう。
お読みいただきありがとうございます!




