26 腐女子と体育祭の話。7
「え、待って。古池足速すぎん?」
「ね。ちょっと怖い」
透香は完全に引いてるっぽい。古池可哀想。
「ね……」
……奏音、それ引いてるわけじゃないよね? すごすぎて言葉が出てこないだけだよね?
なぜ私たちが絶句しているのかというと……。
古池は走り始めるとぐんぐん加速し、もう少しで柿ピーに追い付くくらいになったから! めちゃめちゃすごくね?
今の順位は赤、緑、青、黄色である。
柿ピー抜かされはしたけど、ちゃんと前二人に付いてってるから称賛ものだ。
そして、そのままゴール。
「「うおおーー!!」」
「「キャーー!!」」
最下位だけど、どの組よりも黄色が盛り上がってた。
そりゃそうだ。半周縮めたんだからな。
「次は一年生のリレーです」
うちの高校、なんか変だよね。リレーの順番が、二年生、一年生、三年生の順番なのよ。普通一年生からじゃない?
「うわ、これさ。一、三年生の順位によるよね。二年生リレーは点数と同じ順位だったから変動ないよ」
「確かに。頑張れ青組」
「だめだよ、これから黄色が全部一位取るんだから」
そんな会話をしている間も、私の推しは例の三人とイチャついている。お互い称えあってるっぽい。
満面の笑みで可愛い。はあ! ハグしてる! 推しは私を殺す気なのかもしれない。……最近禁推ししてた反動デカすぎ。
周りの女子も、四人がワイワイしてるの見て大盛り上がりしております。やっぱ四人スゲー。
「あ、瑞穂。瀧田さんこっち見てるよね?」
「え?」
小声で奏音に告げられた。が、そんなわけなかろう。
……いや、見てるな。誇らしそうにこっち見てるわ。
てか古池が奏音のこと見てるから瀧田くんもこっち見たんでしょ。奏音さん、視線に気付いてやって。
「ねえ、瑞穂。藍沢くんこっち見てない?」
「……はい?」
透香にはあり得ないことを小声で言われた。絶対ない。
……いや、見てる……か? うん、瀧田くんが見てるから見てるんやろ。柿ピーもこっち向いてるし。
みんなが見てる方見ちゃうっていうの、よくあるよね。
というか! こんな遠いからそう錯覚するだけだって! ただ顔の方向がたまたまこっちだっただけ! 私たちの後ろにUFOとかいるかもしれんやん!
まあ古池は絶対奏音のこと見てるけどね? これは断言できるよ!
「位置について……」
あ、なんか二人に振り回されてる間に準備完了してたみたい。頑張れ、青組!
「これより、閉会式を行います」
うお、ドキドキだ。
で、私たちはどこにいるかというと、朝礼台の横です。
吹奏楽部で校歌の演奏するんすよ。
「ダンス部門の優勝組を発表します」
実行委員長のハキハキとした声が響く。
「ダンス部門優勝は、青組です!」
「「わーーー!!」」
うええ!! やったー!! ホントに嬉しい!
あんなに練習したもんね! 当たり前!
「次に、アート部門の発表です」
すぐに次の発表かい。もうちょっと喜ぶ時間くれ。
「アート部門の優勝は、赤組です!」
「「わーーー!!」」
赤かあ……。青もすっごくかっこいいのに。透香めちゃくちゃ頑張ってたのにな。
「そして、最後に。総合優勝の発表です!」
総合優勝は、ダンスとアートも加味される。どうだろ……。お願い……!
「総合優勝は、……赤組です!」
「「きゃーーー!!」」
「「うおおおーーー!!」」
だめだったか……。悲しい。
でもそうだよね。一年生と三年生のリレー、どっちも赤は二位だったから。
……赤組さん、おめでとう!
「賞状授与。各組の団長は出てきてください」
だから、進行早いって。
お読みいただきありがとうございます!




