番外編6 陽キャ男子が画策する話。1
「ねえ、一人?」
思いがけずナンパっぽいセリフになった。
「誰ですか……って、瀧田くん!」
藤咲めちゃくちゃ驚いてるな。
……あれ、いつもと雰囲気違う? ……衣装だから当たり前か。
「なんか背中が哀愁漂ってたから、空気変えようかなって」
「な、なるほど」
ナンパっぽくなってしまったのに、特に理由はない、なんて説明するのは嫌だった。颯のために共に協力する人に、チャラい男だとは思われたくない。
「あっちで二人のこと見ようよ」
これは健人のため。
あいつ鈍感すぎるから、こうでもしないとダメだと思ったんだ。藤咲のためにも。
こんなに思ってくれる人そうそういないだろうし、藤咲に頑張って欲しい。でも藤咲、行動しなさそうで。俺が手を貸すしかない。
健人は良いやつだから、幸せになって欲しいんだよ。……これ痛いか?
分かってる。ほんとは良くないよな。勝手にお節介焼いてごめん、藤咲。
「え? あいざ……」
わくんと見れば良いんじゃ……? と繋がっていたのだろう。言わなかったのは、俺にからかわれると思ったからか? 別に俺からかったりとかしたことないけどな。
「……俊臣はどっかいったし、健人はあのこと知らないから。知ってる人と見た方が楽しいでしょ、こういうの」
藤咲は確かに、という顔になった。
「で、でもさ、」
「颯たちが戻ってきたとき、俺らが一緒にいればあいつらも一緒に見るかも」
断られる雰囲気だったので、言葉を遮って言った。
確かに、と思ったんなら断らなくて良いじゃん。
俺はさらに追い打ちをかけることにした。
「あと、この後健人がどこで踊るか知ってる?」
はは、ギクってなってる。分かりやすすぎる。
「見たいでしょ?」
『そりゃ見たいに決まってる! それを楽しみに過ごしてきたんだから!』って、思ってるな。藤咲って考えてることが手に取るように分かる。面白い。
この後、『分かった……』って悔しそうに言ってくると予想。
「……くっ! 今回は負けてやる!」
「ええ? 勝ち負けあったの?」
予想外の返答が飛んできて、笑ってしまった。でも、悔しそうなのは当たってた。
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